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平成18年6月定例会(第10日) 名簿
平成18年6月定例会(第10日) 本文

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  1. 福岡県議会 2006-06-10
    平成18年6月定例会(第10日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(藤田 陽三君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。渡辺英幸君。(拍手) *渡辺議員質問 2 ◯三十六番(渡辺 英幸君)登壇 皆さん、おはようございます。自民党議員会渡辺英幸でございます。通告に従い一般質問をさせていただきます。  一問目は、全般的な県の行政、二問目に入りまして地元春日市と那珂川町について知事や部長の見解をただしていきたいと思います。  まず最初に、自然保護観光行政についてお尋ねいたします。ここ数年、エコツーリズムという言葉を見たり聞いたりすることが多くなってまいりました。それだけエコツーリズムが浸透してきたということであると思われます。エコツーリズムとは、自然環境や歴史、文化を体験し学ぶとともに、地域の自然環境や歴史、文化の保全に努めることであると思われます。これを実践するのがエコツアーであります。環境の時代、地域の時代と言われる今だからこそ、エコツーリズムが欠かせないキーワードとなっているように思われます。二〇〇二年、国連は同年をエコツーリズム年とするなど国際的な動きとなっています。平成十六年、環境省はエコツーリズム普及モデル事業実施地区として十三地区を選定しております。残念ながら、福岡県から選ばれてはおりません。しかし、県内にも自然豊かな地域や誇れる歴史、文化を持った地域はたくさんあります。こうした魅力を持つ里地、里山、奥山がコンパクトに凝集された地形と歴史的な風土が調和するたたずまいを大事にする必要があります。自然の営みとともにある人々の暮らしぶりこそ美しく、どこか懐かしい感じがします。日々をせかせかと過ごす人には醸し出せない魅力であります。エコツアーこそ、そんな地域性を訪ねて回る旅であります。  さて、去る五月十二日、筑後田園都市推進評議会総会におきまして、筑後景観憲章が制定されました。筑後特有の美しい景観を地域資源として保全、整備していこうという趣旨のものであります。第一条から第八条まで、筑後弁を基本に書かれた憲章は、ユニークなものとなっております。魅力ある観光地づくりを展開する機運も盛り上がってきているのではないかと考えます。私の住む那珂川町にも、自然豊かで長年培われた歴史、文化があります。福岡市の単なるベッドタウンとしてだけでは大変にもったいない思いがしてまいります。このような財産を生かしたまちづくりをすべきだと考えております。画一的なまちづくりではなく、豊かな自然や産業を活用することで地域の活性化を目指すとともに、観光客が共感する地域づくりを行うべきではないでしょうか。知事いかがでしょうか、お答えください。  住民と事業者が一体となり地域全体のプロデュース機能を高めようとする、これらの取り組みがスムーズに立ち上がれるような県の支援も必要ではないでしょうか、あわせてお答えください。  心の時代、ゆとりの時代とも言われています。このようなとき、自然環境の保全、整備こそが必要です。今や全国区の温泉地となった熊本県黒川温泉の場合も、自然環境の整備を最優先とした地域づくりに徹したそうです。県内の観光地、温泉地も、いいものを持ちながらそれを生かせず、観光客が足を運ばないというジレンマを抱えているところもあるのではないでしょうか。こうしたところは確かに自助努力も必要でしょうが、行政の支援も欠かせません。すべてを支援しろというのではありません。弾みをつける一押しを行政がしてやるべきではないでしょうか。自然環境をしっかりと保全する観光スタイルを定着させることで、新たな観光の魅力も開発できるはずです。それはまた、地域に受け継がれてきた貴重な自然や生活文化を次世代に継承するためのとうとい挑戦でもあります。  この質問を考えているときに、タイムリーな新聞記事を目にしました。「九州地域産業活性化センターは九州の観光活性化を目指して「遊学アイランド九州」の形成に向けた産業資源の連携策を探る調査報告書をまとめた。」という西日本新聞の報道であります。「それによると、今後の観光の潮流には、名所・旧跡を巡るだけでなく「遊びながら学べる観光」「地域との交流」などが求められていると分析」しています。そして、遊学アイランド九州モデル事業として、大牟田・荒尾地区にある万田坑跡や宮原坑跡、旧三井港倶楽部等を中心としたルート、飯塚市にある旧伊藤伝右衛門邸や嘉穂劇場をめぐるルートも提案されています。私も、この提案にもろ手を挙げて賛成するものであります。今回の提案を県も積極的に受け入れ、各自治体や業者を指導してはいかがですか、答弁願います。  以上で、観光についての質問は終わります。  次に、春日市における県道についてお尋ねいたします。  質問の前に、現在、春日市で工事が行われております那珂川宇美線下白水地区と小倉地区の整備につきましては、三月末日での用地の収用については下白水地区二七%、小倉地区では七%と用地の収用が少しずつではありますが進んでおります。なお一層の県の御協力をお願いし、早期に完成することを強く要望いたしておきます。  さて、質問に入りますが、都市計画道路福岡筑紫野線、通称県道五号線について質問いたします。この道路は、福岡市中央区渡辺通一丁目を起点とし、春日市、大野城市、太宰府市を南北に縦断し、筑紫野市杉塚に至る延長十三・二キロ、計画幅員二十二メーター、四車線の幹線道路であり、その先は鳥栖筑紫野有料道路として鳥栖を通り久留米まで通じ、福岡市と北部地域にある各都市とを結ぶ重要な幹線道路であると思われます。都市計画決定は、福岡市、春日市、大野城市、太宰府市で昭和四十七年に決定され、既に約三十年以上の歳月が経過しております。そのおくれの大きな原因の一つは、平成六年十二月に地域高規格道路候補路線として指定を受けたからではないかと思われます。候補路線とは、地域高規格道路として整備を進めることの妥当性、緊急性等について検討を進める路線となってますが、決定後十数年が経過しています。今日までにどんな検討をされたのか、土木部長に質問いたします。  また、本路線の沿線では、福岡都市圏の拡大に伴い商業地や住宅地として発展を続けており、朝夕の時間帯を中心にではありますが、春日市岡本交差点付近では一日交通量は三万五千台になる勢いであります。しかしながら、整備状況としては、大野城市、太宰府市地域は平成十二年度までに全線計画幅員にて整備が終わっております。春日市地域においては、計画延長四・九キロのうち、春日七丁目以南の約一・三キロが整備済みであり、また春日公園付近の〇・五キロ区間を整備中で、残り三・一キロが未整備であります。特に、福岡市南区清水町より南区井尻六つ角交差点までの約二・七キロは、福岡市が六車線の主要な道路、幅員三十六メーターの道路が福岡市と春日市の境界まで延びています。それより南へ一・八キロ、春日市分でございますが、宝町交差点付近までは三車線で供用しており、平成九年三月十日より、日曜祝日を除く日の朝七時から九時の間は上り──春日市より福岡方面が二車線、下り──福岡市より春日方面、太宰府、筑紫野市へ行く車線が一車線で供用しており、その他の時間帯は上り一車線、下り二車線で供用しており、変則三車線であります。非常に危険な状態であり、宝町より福岡市へ一キロ先には、ベッド数六百の福岡徳洲会病院があり、筑紫地区や佐賀県などから多くの急患の対応がなされています。しかし、この道路は慢性的な渋滞で、救急車の通行にも非常に困難が生じる時間があると言われております。早期整備計画を立て、工事に着手する必要があると思われます。  また、平成十九年五月九日より鳥栖筑紫野有料道路が無料となり、さらに県内や県外に通じる道路と車がふえ、交通の渋滞がなお一層予想されるものであります。本路線の最重要整備必要区間であると思われますが、つきましてはこの区間の整備計画について建築都市部長にお尋ねいたします。  次に、那珂川町内の国道三百八十五号線についてお尋ねいたします。一般国道三百八十五号線は、柳川市を起点とし佐賀県を経由し、那珂川町を南北に縦断して福岡市に至るまで、延長約六十キロメートルの幹線道路であります。那珂川町内については、北部地域において、平成十五年までに福岡市の行政界から那珂川町道善までの二・三五キロが区画整理事業及び福岡都市高速道路建設に関連して幅員二十二メーターで四車線化が完了し、交通の利便性の向上が図られているところであります。また、平成十六年度より五ケ山ダム建設工事にあわせ国道三百八十五号のつけかえ工事も行っており、現在事業が進められているところであります。近年では、佐賀県道路公社により平成十四年度に事業着手した東脊振トンネルが平成十八年三月二十一日に供用開始されており、福岡県と佐賀県を結ぶ広域ネットワークが形成されることから、都市機能の連携及び地域間交流の促進が図られ、産業、経済、文化の発展に大きく寄与する道路となると考えております。東脊振トンネルにより、佐賀県側の国道の整備は完了し、歩道も設置されているのに対し、福岡県側は線形も悪く、また歩道も未整備の箇所も多い状況となっております。福岡県の道路行政はどのような観点で行っているのか、このことについて知事に質問いたします。  また、国道三百八十五号線の現在の交通の状況としましては、県道福岡早良大野城線及び那珂川大野城線の改良により、福岡市早良区方面や春日方面から車両流入が増加し、混雑が発生している状況となっております。さらに、佐賀県道路公社において施工された東脊振トンネルの供用により交通量が増加している状況であり、今後、五ケ山ダム建設九州新幹線筑紫トンネル掘削残土運搬等による工事車両が増加することも考えられることから、国道三百八十五号線の未改良部分について整備促進が必要であると思われます。このような状況を考えますと、道善交差点から福岡早良大野城線との交差点である山田交差点までの四車線化や、ダム湖面道路、釣垂隧道、南畑地区の狹隘区間の改良の工事に着手する必要があると思われます。国道三百八十五号の道路整備についてどのように進めていくお考えか、土木部長に質問いたします。  これで私の第一回目の質問は終わります。(拍手) 3 ◯議長(藤田 陽三君) 麻生知事。
    *知事答弁 4 ◯知事(麻生 渡君)登壇 まず、観光の問題についてであります。観光の振興ということは、非常に大切なことであります。その場合に、それぞれの地域の特徴を生かして魅力のある観光地づくりをしていく必要がございます。本県の場合には、英彦山とかあるいは平尾台の自然、太宰府といった歴史、文化、温泉、また飯塚で御紹介がされましたけれども白蓮婦人、伊藤伝右衛門邸、嘉穂劇場、多様な観光資源があるわけでございます。また、柳川は長い歴史を持った観光資源にも恵まれているわけでございます。このような本県の観光資源、これを広く活用して多くの皆さんに来てもらう、そのためにはそれぞれの地域の皆さん、観光団体、そしてまた行政などが一体となった観光地づくりを進めていく必要がございます。県の方でもこのような観点から、今後とも魅力のある地域づくり、このためにそれぞれの地域の皆さん、行政と一体となって創意工夫をしていく、この取り組みを積極的に組織し、応援をしてまいる考えであります。  もう一つ、新しい分野といたしまして、産業観光という考え方が提唱され、また大切になってきております。この産業観光は、現に稼働しております工場あるいは産業のいろんな遺跡、遺産といったものを新たな観光資源として見直し活用するというものでございます。本県の場合には、自動車といった先端的な産業、博多織、久留米絣あるいは大川の家具といった伝統的な産業の作業現場、石炭の歴史資料館、北九州の東田の第一高炉といった近代的な産業遺産があるわけでございます。これをどううまく活用していくか、今年度新たに福岡県産業観光推進協議会をつくってまいります。そして、この場でこのような産業観光のいろんな資源と、近くの温泉とか食とか、あるいは美しい自然、このような産業資源との組み合わせをつくっていきまして、新たな観光ルートの開発を進めてまいる考えでございます。  県内の道路整備についてでございますけれども、道路は地域の発展力あるいは利便を高め県民の皆さんの生活を豊かにしていく上で非常に大切なものでありますけれども、本県の道路整備はまだ不十分な状況でございます。このため、交通の状況、地域の特性などを検討しまして、着実にネットワークの整備を進めていく必要がございます。実際の整備を促進するに当たりましては、それぞれの地域の実情を踏まえまして、早期に整備の効果があらわれますように、重点的また効率的な道路整備に努めてまいる考えでございます。  国道の三百八十五号につきましては、土木部長の方から答弁をさせます。 5 ◯議長(藤田 陽三君) 廣瀬土木部長。 *土木部長答弁 6 ◯土木部長(廣瀬 輝君)登壇 福岡鳥栖道路の検討状況についてでございます。福岡鳥栖道路は、福岡地域と佐賀県の鳥栖地域間の連携強化を目的とする地域骨格道路でございます。これまで現況の問題点把握、将来の交通需要の予測、さらには福岡鳥栖間のネットワークのあり方などの調査を進めてきております。今後は、社会情勢の変化を踏まえた必要性の整理や道路の構造などについて引き続き検討を行っていくこととしております。  次に、国道三百八十五号の整備についてでございます。整備の効果が早期にあらわれますよう、事業の重点化を図っていくということが大切だと考えております。こうした観点から、これまで都市部の渋滞対策を中心に進めてまいりました。現在は、五ケ山ダムのつけかえ道路や三橋大川バイパスの整備を行っております。また御質問にありました道善から那珂川町山田交差点間につきましては、東脊振トンネルの開通などによりまして交通量が増加傾向にございます。現在、四車線化に向けた調査を進めております。  その他の区間につきましても、これら事業や調査の進捗を踏まえながら、重点的な整備が図られるよう今後の展開を検討していくこととしております。 7 ◯議長(藤田 陽三君) 三村建築都市部長。 *建築都市部長答弁 8 ◯建築都市部長(三村 保始君)登壇 春日市における県道福岡筑紫野線の整備についてでございます。都市計画道路福岡筑紫野線は、福岡都市圏南部の道路網を形成する重要な幹線道路の一つであると認識いたしております。地域の道路の整備状況を判断し、都市計画道路網の機能を早期に発揮させるため、現在、那珂川宇美線の整備を優先的に取り組んでおります。したがいまして、本路線の整備につきましては、地域におけるあり方や那珂川宇美線整備状況等を踏まえ、今後関係機関と協議してまいりたいと考えております。 9 ◯議長(藤田 陽三君) 渡辺英幸君。 10 ◯三十六番(渡辺 英幸君)登壇 まず、土木部長に再質問をしてまいりたいと思います。そして次に、知事並びに建築都市部長、これ土木部長も一緒でしょうが、要望を強くお願いしたいと思います。  先ほどの三百八十五号線、少し土木部長、どんな道路かということの認識が薄いのではないだろうかと思います。昭和三十九年にこの南畑ダムが完成したわけです。その四、五年前に、この道路は完成していますから、部長が生まれて間もないころではないだろうかと思います。そんな時期に完成した道路、そしてダムの完成が平成二十九年の予定ですから、もう既に六十年ぐらい前につくられた道路、それをそのまま一千四十万トンのダムに入る道路として使うには、少し無理があると思います。確かに、現在行われている三百八十五号線のつけかえ道路、立派な道になると思います。今、佐賀県から、トンネルの中にも速度制限五十キロがあります。しかし、今度の接合地点からは三十キロに、ぼっと二十キロ落ちてるんです、一遍で。こんな道路がほかにあるかなというような気もいたします。やはり、湖面そして山間部、そして山村地帯と上から流れていく道路は、ぜひ私は本当に五十キロで走れるようなすばらしい道にしてもらいたいと思います。だから私ども地域住民としては、ダムを決めるのが、ちょっと早かったかなと、先に道路の拡張を、県にどこまでできるかということをやってダムを決めればよかったなあというような、町内の有識者からはそんな話も出ております。ぜひ、土木部長に、平成二十九年に完了する五ケ山ダムに合わせて、事業完了までに改良ができるのか、その辺の質問をしたいと思います。  そして次に、自然保護観光行政について知事に要望いたします。見せかけの観光資源を売り物にするのではなく、自然と伝統、歴史が息づく観光行政を県独自で推進すべきときが来ているのではないでしょうか。昨年二月の私の一般質問において知事は、エコツーリズムについては成熟した考え方というよりも発展途上にある考え、と答弁されております。要は、自然保護とか環境保護とかをテーマに入れながら観光ルートを考えていこうというものであると私は思います。今後は、例えば川と食等というテーマを通じて新しい考え方の観光という研究を進めていきたい、との答弁がなされております。このような新しい視点からの観光行政を積極的に推進されるよう強く要望いたします。  次に、都市計画道路福岡筑紫野線は、先ほどもるるお話ししております。本当に私、建築都市部に、こんな変則な道路があるのかという質問をいたしました。福岡県に二カ所あるらしいです。一カ所は大濠公園のところの四車線が、福岡市に入る方が午前中は三車線になり、それから後は二車線ずつになるという二カ所ありますと。それでもそこは二車線でき上がっているわけなんです。本当に福岡市の境まで三十六メーターが来て、それから半分に絞っているわけなんです。こんな道路が、私は、よく言われます雄県福岡県としては非常に寂しい思いがします。また、例えば三百八十五号線でも佐賀県のトンネルを越しますときれいに二車線、両側に側道ができ、歩道もできております。本当に福岡県は、佐賀県の道路行政よりもかなりおくれておるんじゃなかろうかと思います。私、それと一つ疑問に思ったのは、三瀬峠を来まして、今福岡市側にループをつくっております。これ何の工事かなと思いますと、何と佐賀県がお金を出して福岡県、もちろん福岡市でありますが、その地域にループをつくっているわけなんです。昔で言うならば、それこそ越権行為。私、先日もお話ししたんですが、だから五ケ山ダムができるところが佐賀県にとられたんだというような話もいたしました。もう少しそういうふうな観点を持っていただき、ぜひ、現在ある三車線を、せめて都市計画道路、四車線に改良していただくよう強く要望し、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 11 ◯議長(藤田 陽三君) 廣瀬土木部長。 12 ◯土木部長(廣瀬 輝君)登壇 国道三百八十五号の整備につきまして、具体の見通しを示せという御質問かと思います。事業の実施に当たりましては、手広く事業を展開すると、結果として全体として事業がおくれてしまうということが十分考えられます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、事業の重点化を図りながら整備の効果を早期に発現していく、こういった考えで進めております。そういったことから、三百八十五号につきましては、御質問にもございました四車線化、これを優先することとして、今調査を進めております。南畑ダム周辺等の区間につきまして、確かに交通量はふえております。現在、二千台程度、平均幅員七メーターほどございます。二車線が確保されております。こういったことから、交通量の推移等を見定め、事業化の時期を検討してまいりたいというふうに考えております。したがいまして、事業の具体の見通し、これは申し上げる段階には至ってございません。 13 ◯議長(藤田 陽三君) 渡辺英幸君。 14 ◯三十六番(渡辺 英幸君)登壇 これで終わりますと言ったけれども、余りにもちょっと。  例えば、六十年前にできた道はそのままということになりますと、しかし、これ実際、このダムの下流等については大型車が離合できません。そんな区間がかなりあります。例えば、釣垂峡、その先のトンネル、これは何百メーターか離合できないわけなんです。その中での、今部長、二千台と言われましたけれども、私、一昨日、東脊振トンネルの料金所に行ってまいりまして、四月、五月で約七万台通っております。四月が七万、五月が七万。といいますと、一日に割りますと約二千五百──二千台少し。それに町内の車がありますから二千五百以上はあの辺を通過しているんではなかろうかと思います。そんな道路でございます。とにかく、せっかく那珂川も三つ目のダムが今回できるわけでございます。南畑、五ケ山、脊振、これ那珂川水系に三つございますが、ただ地域が水の供給基地ではなく、やはり地域の要望も少しは取り入れてもらえるようなすばらしい県政を行ってもらいたいと思います。それには、まず私どもは何をおいても道づくりだと思いますが、土木部長、その辺を御理解の上、早期にできるようお願いいたしまして、これで終わります。(拍手) 15 ◯議長(藤田 陽三君) 高瀬菜穂子君。(拍手) *高瀬議員質問 16 ◯三十四番(高瀬 菜穂子君)登壇 おはようございます。日本共産党の高瀬菜穂子です。  初めに、米軍再編問題についてお尋ねします。日米両政府が合意した在日米軍再編の最終報告は、沖縄の米海兵隊のグアムヘの移転費など、三兆円近い日本側の負担が明らかになり、国民の批判が噴出しています。しかも、この最終報告は、航空自衛隊築城基地を沖縄普天間基地所属の米海兵隊の前線補給中継拠点に位置づけ、築城基地内に海兵隊の訓練施設、駐機場、格納庫、隊舎を新設する、米空軍機の訓練に築城基地を使用することをうたいました。民間空港を米軍が使用するための検討も明記されました。現在沖縄では、イラク戦争を遂行している米軍が、自治体との約束を破って戦闘訓練を繰り返しています。空軍の嘉手納基地では、基地所属の戦闘機以上に、米国本土から飛来した戦闘機の数が多く、これらの外来機が深夜、早朝に離着陸を繰り返し、爆音を振りまいています。我が党の国会質問で、これらの外来機が築城基地を使用する可能性があることを防衛施設庁が認めています。また、海兵隊普天間基地所属の戦闘ヘリコプターは、学校や保育所を含む民間施設を標的と仮定し、普天間市の市街地上空で旋回訓練を繰り返しています。大学構内への落下事故など、重大事故も後を絶ちません。海兵隊は前線での軍事侵攻を担う殴り込み部隊であり、沖縄における米軍犯罪の九割以上が米海兵隊によるものです。その海兵隊が築城に訓練施設を設置するというのです。  こうした事態に、築城基地周辺住民は強い反対の意思を示しています。私は先日、周辺自治体の首長さん、議長さんらと意見交換を行いました。首長の皆さんからは、米軍はグアムに行ってもらいたい、住民の苦しみは耐えがたく反対運動は広がるだろう、被害を受けるのは住民であり、振興策を見てからという県の態度は心外だなどの厳しい声が相次ぎました。知事は、こうした地元の声を重く受けとめるべきです。  第一に、知事は築城基地周辺三自治体に足を運び、住民の声を直接聞き取るべきではありませんか。また、県庁内に基地対策室を設置するなど、具体的なアクションを起こすべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。  第二に、その上で、県民の安全に責任を負う知事として、在日米軍再編に関する最終報告の撤回を政府に強く要請すべきだと思います。答弁を求めます。  次に、教育問題について伺います。  第一は、教育基本法についてです。政府・与党は、国会の終盤になって準憲法的性格の教育基本法改悪案を国会に提出しました。その理由について政府は、時代の要請にこたえるためとしていますが、その根拠は全く示していません。与党はライブドア事件や耐震偽装までも教育基本法のせいにして改定をしようとしていますが、言語道断です。現在の教育基本法は、お国のために死ねと教えた戦前の教育の反省の上につくられました。憲法の崇高な理想を実現する力は教育にあるとして、すべての子供に豊かな教育を保障するとともに、第十条で国家が教育に介入することを厳しく禁じています。ところが、政府提出の法案は、国が教育振興基本計画によって直接介入する仕組みをつくるとともに、第二条に教育の目標を新たに設け、愛国心など二十もの徳目を並べています。子供たちの心まで評価する教育にするのかと、各界から反対の声が上がっていることは言うまでもありません。小泉首相も子供たちの愛国心をABC評価することは難しいと先日国会で答弁しました。しかし実際には、指導要領の改訂後、各地で愛国心を評価する通知表がつくられています。福岡市では大問題になり、撤回されました。教育基本法の目標に愛国心を位置づけることは、内心の自由を侵し、子供たちの心を評価し、統制することになります。愛国心を評価することについて、知事及び教育長の御所見を伺います。  愛国心は法律で強制するものではありません。また、愛国心のあり方はさまざまです。私は、日本語の響きや文字、繊細で凝縮された表現に美しさを感じ、子供たちにも日本語の美しさを伝えたいと一教師として努力してきた者です。他国や他民族を蔑視しない真の愛国心は大切な市民道徳であると考えています。しかし、あの侵略戦争の旗印であった、日の丸、君が代の強制は、私の愛国心に照らして決して許せることではありません。国は、強制ではないと繰り返し答弁していました。にもかかわらず、内心の自由を侵す乱暴な強制が本県の教育現場でも行われているのが現実ではありませんか。改悪教育基本法案は、このような権力統制を無制限にし、教育の自主性と自由を根底から覆すものであり、我が党は、憲法改悪と一体の教育基本法改悪に断固反対するものです。教育の憲法である教育基本法は、国づくり、人づくりの基本であり、この改定には国会での十分な議論はもとより、国民的な議論が必要であると考えます。この点について教育長の見解を伺い、この項の質問を終わります。  次に、教員採用にかかわって、県単加配による少人数学級の実現について伺います。言うまでもなく、教育はマンパワーであり、教職員配置は、教育の質を決定づけます。ところが、本県の教員配置基準表は国の標準の表より低く設定されており、今年度中学校で三十七人、小学校では二百九人も少ない配置となっています。昨年度までは、小中学校に県単少人数加配教員が配置されていましたが、今年度は廃止されました。他県が独自予算を組んで少人数学級を実現しているときに、本県は逆に教員を減らしています。九州・沖縄各県で少人数学級のための県単予算がないのは本県だけです。このような情けない状態を改善し、県民的な要求である少人数学級のための県単加配を改めて求めるものです。教育長の見解を伺います。  次に、非正規教員の採用問題です。本年度、五月一日現在の常勤講師数は、小学校で九百四十二人、中学校で七百五十五人、高等学校では六百五十四人、合計で二千三百五十一人に上り、全教職員数の一割近くを占めています。常勤講師の多くは定数内講師であり、本来臨時であってはならない立場の教師です。常勤講師の給与は正規教員の半分、約四百万円ですから、単純に計算しても九十億円以上の人件費削減を行っていることになります。特に、高校では定数を崩して非常勤講師として雇用しており、その数は七百二十七人にもなっています。美術や音楽の教師が非常勤で週に二、三時間しか学校にいないという例もあり、総合的な学力をつける上でも問題ですが、高校の先生のうち、常勤、非常勤の非正規雇用が実に四分の一を占めるという実態は異常ではないでしょうか。非常勤講師の年収は、時間数にもよりますが、百万円をわずかに超える程度の人もたくさんいます。他県では、生活保護が適用された例さえあります。教師を目指しながら、自立できず不安定な状態でどうやって教育に専念できるでしょうか。子供たちの未来を担う教員の多くが不安定雇用であることについて、教育長はどのような見解をお持ちでしょうか、お答えください。  学校基本調査によると、本県の非正規雇用率は全国平均を上回っています。北海道では、産休、育休などの代替以外は基本的に正規雇用にしていると聞きました。福岡県で正規教員になりたいと志してきた講師の方が、可能性を求め他県の採用試験を受ける傾向が強まっているとも聞いています。本県の教員採用枠を大きく広げ、正規教員をふやす必要があると考えますが、教育長の見解を伺います。  採用試験については来年度から年齢や経験重視の改善が行われるとのことですが、資格年齢の撤廃、透明性確保のための面接を含む採点結果の本人への公表など抜本的な改革が必要ではありませんか、あわせてお答えください。  最後に、非正規雇用の講師の待遇改善についてです。知事は、さきの予算特別委員会で、同じような仕事をしながら、正規との間に報酬その他の条件が違い過ぎているという問題について、直さなければならないとの認識を示されました。この点から見て、正規と同等の仕事をしている常勤講師の給与や待遇は正規と同水準にすべきだと考えます。特に、正規では当然の健康診断が行われていない点について早急な改善を求めます。  常勤講師は、健康診断の権利がない上に、任用前には自己負担で健康診断を行い、学校に提出しています。正規と同様の健康診断を年度内に県負担で行い、次年度採用の際に提出できるなどの改善を図るべきです。教育長の見解を伺います。  また、非常勤講師については、報酬単価の引き上げが急務です。本県の単価は、義務制で一時間当たり二千三百八十円、高校は二千七百九十円です。どちらも九州各県の中で最低レベルですが、特に義務制は最も低く、熊本県との差は時給で四百四十円もあります。ただでさえ低い水準なのに、本県はことしさらに十円の引き下げを行いました。非正規教員の待遇は、余りにも劣悪であり、早急な改善が必要です。これらの点について教育長の見解を伺い、質問を終わります。(拍手) 17 ◯議長(藤田 陽三君) 麻生知事。 *知事答弁 18 ◯知事(麻生 渡君)登壇 まず、米軍再編の問題についてであります。築城基地の問題に関連をしまして、地元の住民の皆さんの声をよく聞くように、あるいは基地対策室を設けるということについてであります。地元の皆さんとの関係でありますけれども、これは我々担当窓口がありまして、そこが中心となりまして意見の交換を行っております。そして、地元の皆さんから騒音の問題、安全、安心の点からさまざまな意見が出されております。これはもちろん私も承知をいたしております。今後も地元市町村と密接に連絡を図りまして、情報交換を行う、必要に応じまして国に対策を求めていく、このようなことを行っていきたいと考えております。基地対策室を設置するということは、特に考えておりません。  次に、日米で合意されました最終報告を政府に撤回を求めるべきであるということについてであります。県は、県民の皆さんの生活を守り、安心、安全な条件を確保するということは、最も重要な責務の一つであります。したがいまして、築城基地の問題につきましても、米軍の使用によりまして地元の皆さんの生活にどのような影響が生じるのか、これはいろんな防衛庁に対する質問をしているわけでありますが、これを見きわめまして、これを軽減する、これが大切でありますから、具体的にどのような対策がとられるのかということ、これにつきましては強く国に求めていく必要があると考えております。同時に、今回の米軍再編は、我々の安全の基本になります国の、まさに安全保障政策の問題であります。また、基地負担を少しでも軽減してもらいたいという沖縄県民の切実な願いにも我々は配慮する必要があるわけでございます。このようなことを考えまして、米軍再編に対する最終報告の撤回を国に求めるということは考えておりません。  次に、愛国心の問題についてであります。愛国心、いわば国を愛する気持ち、心情ということでありますけれども、これは私どもは日本ということ、これが生活の最も基本的な存立基盤になっております。我が国の歴史とか伝統を知る、そして国を大切にしていこうという心であると考えております。評価をするに当たって、内心の自由というお話がございましたけれども、これは子供たちの内心にまで入って調べるというような性格のものではないと考えております。 19 ◯議長(藤田 陽三君) 森山教育長。 *教育長答弁 20 ◯教育長(森山 良一君)登壇 まず、愛国心の評価に対する所見についてでございます。現行の学習指導要領におきましては、国を愛する心情を持とうとするということが目標等として位置づけられておりまして、例えば小学校六年生の社会科におきましては、先人の業績や文化遺産への興味、関心と理解を深めるとともに、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるよう定められております。その評価につきましては、子供たちの内心に立ち入って評価するというようなものではなくて、我が国の伝統や文化、先人の業績などの学習内容につきまして進んで調べたり、学んだりしたことを生活に生かそうとしたりするなど、そのような関心、意欲や態度を総合的に評価するものでございます。  次に、教育基本法についてでございます。これにつきましては、ことしの四月に国会へ政府から法案の提出がなされまして、現在審議が進められておると承知をいたしております。県教育委員会といたしましては、この改正に係る国会の審議を見守ってまいりたいと考えております。  次に、少人数学級のための県単加配についてでございます。教員の配置につきましては、義務教育標準法に沿って適正に配置をいたしておるところでございます。また少人数指導につきましては、一学級四十人を基本としまして、これを各学校が必要に応じて実施できるように教員を配置いたしておるところでございます。今後も現行の施策を推進しながら、市町村の主体的意思を尊重する観点から、国庫定数を活用した研究指定校方式などや、市町村独自の措置によって少人数学級が弾力的に編制できるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  次に、講師の雇用についてでございます。常勤講師等の任用につきましては、正規教員の採用数の平準化を図りますとともに、正規教員では対応できない産休や育休、休職などの代替や、さらには習熟度別や少人数指導等のきめ細かい教育を行うため、やむを得ない措置として行っておるところでございます。今後とも、これら常勤講師等の任用につきましては、適正に行ってまいりたいと考えております。  次に、教員採用枠の拡大についてでございます。教員の採用につきましては、これまで定数とか退職者の動向、それから現職教員の年齢構成などを総合的に勘案するなど、長期的視野に立って計画的に実施をいたしております。また、優秀な人材を確保するため、試験制度の改善を図っておりまして、今年度は講師などの経験者に対する年齢制限の緩和などを実施いたしたところでございます。今後とも講師等として勤務する人たちが、将来教員となることを目標に意欲的に教育活動に取り組めるような試験制度の改善に努めてまいりたいと考えております。  次に、講師の健康診断についてでございます。教員の採用につきましては、学校現場において直接児童生徒の指導に当たりますため、任用に際しましては身体検査を受検をして、その結果を提出させるということによりまして、心身ともに健康であるということを確認をいたしております。常勤講師等につきましても同様でございますけれども、任用に期限を付しておりますために、現状の取り扱いはやむを得ない措置であると考えております。  最後に、非常勤講師の報酬単価についてでございます。報酬単価の設定に当たりましては、常勤の教員などの時間単価を参考にしながら、非常勤講師の勤務の特殊性も踏まえまして、授業に必要な教材研究などの時間も勘案して行っておるところでございます。今後とも適正な報酬単価の設定に努めてまいりたいと考えております。 21 ◯議長(藤田 陽三君) 高瀬菜穂子君。 22 ◯三十四番(高瀬 菜穂子君)登壇 ただいま、知事から米軍再編について、最終報告の撤回を国に求める考えはないとの重大答弁がありました。知事は、現地に足を運び、関係住民から直接話を聞くこともなく、基地周辺一市二町の首長さんとさえ話もしないまま、このような決定をされるのですか。安心、安全を守ると言いながら、県民の意見さえ聞かない知事の態度は、県民に対する背信行為です。我が党は、県民とともに撤回運動を強め、この再編の最終報告撤回のために奮闘する決意を改めて述べるものであります。  教育長に伺います。教員配置と非正規雇用の実態は、他県と比べても劣悪であることを指摘しました。非正規教員の待遇について、改善は必要ないとお考えなのですか。改善の検討を強く求めるものですが、教育長の見解を再度伺い、質問を終わります。 23 ◯議長(藤田 陽三君) 森山教育長。 24 ◯教育長(森山 良一君)登壇 講師等の処遇の改善についてでございます。講師等の処遇につきましては、正規教員との均衡を図りながら、今後も適切に対応をしてまいりたいと考えております。 25 ◯議長(藤田 陽三君) 亀谷正君。(拍手) *亀谷議員質問 26 ◯四十七番(亀谷 正君)登壇 自由民主党県議団の亀谷正です。通告に従いまして、公共サービス改革法について一般質問を行います。  私は、昨年九月議会の一般質問で、行財政改革に当たっては、小さな政府づくりに向けて民間活力を積極的に推進していくべきであるとの思いのもとに、施設の民間移譲や民間委託のこれまでの取り組みと、今後に向けての指定管理者制度の活用について質問をさせていただきました。また、政府の規制改革・民間開放推進会議で検討が進められていた市場化テスト、これは民間にできることは民間にというスローガンのもと、これまで公務員が行ってきた公共サービスを、民間が担うことができるものは民間にゆだねるとの観点から、官民あるいは民民で競争させることで質の向上と経費の削減を図ろうとするものであります。アメリカやイギリスでは、一九八〇年代に地方政府を中心に本格化し、オーストラリアでも国家的改革として実施した経緯があります。国では二〇〇五年四月に内閣府に市場化テスト推進室を設置し、このための法案づくりに向けて作業を行ってきました。前回の質問でも、県としてもこの市場化テストの導入に向けての準備を要望させていただきました。そして国では法制化が行われ、去る五月二十六日に、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律、通称公共サービス改革法として制定され、六月二日に公布されております。施行日は「公布の日から六月を超えない範囲内で政令で定める日から施行する」こととされておりますが、内容を見ますと、当初期待されたものよりかなり後退した感は否めません。そこで幾つか知事にお伺いいたしますが、まず現時点において、この法律の適用対象となる公共サービスの範囲は、国、都道府県、市町村それぞれについてどのようになっているのかお示しください。  次に、これまで民間活力の推進に当たっては、さまざまな取り組みを進めてこられました。特にアウトソーシングの取り組みについては、随分前から進められてきたと思います。最近においては、指定管理者制度が導入されたところですが、これは地方公共団体が有する公の施設の管理運営を外部に委託する場合に、これまで県の外郭団体など公共的な団体に限っていたものを、規制緩和の流れの中で民間にも開放するもので、地方自治法の改正により実現したものです。これに比べ、国は独立行政法人化は進められてきましたが、指定管理者制度はなく、今回の法律制定については専ら国主導のもとに国の事業をモデルとして進められてきたと伺っています。もちろん、この法律の中では地方公共団体の公共サービスも対象となりますが、これまでのアウトソーシングや指定管理者制度とどのような点が異なり、また問題点があるとすればどのようなことが課題となるのか、認識についてお伺いいたします。  最後に、この法律の適用は今後拡大し、県が行う公共サービスの範囲も広がるものと思われますが、しかしながら、それまで待っていたのでは行政改革はなかなか進みません。そこで今後の民活の導入に当たって、どのような取り組みを進めていくのか、知事のお考えをお伺いいたします。(拍手) 27 ◯議長(藤田 陽三君) 麻生知事。 *知事答弁 28 ◯知事(麻生 渡君)登壇 公共サービス改革法、いわゆる市場化テスト法についてでありますけれども、これは公共サービスの実施、これについて民間ができるものは民間にゆだねようということから、新しい法律となったわけであります。この法律では、まず国の業務、これについては施設の設置、管理、研修、相談、調査、研究、職業紹介事業、国民年金保険料の徴収事業などが対象になるんであるというふうに規定をされております。我々地方団体の対象業務でありますが、戸籍謄本、住民票、印鑑証明など六つの業務になっております。この六つの業務の中で県が実施しておるものは、県の納税証明のみでございます。  これを実際に行おうとする場合についての問題はどうかということでございますけれども、新しい法律におきましては、入札実施にかかわる方針とか、実施要領の策定などの手続が詳細に定められております。また、合議制の機関の設置義務が課せられているわけでございまして、実際にこれを運用いたしますための仕組みづくり、これは相当大きな労力を要するわけであります。また、現時点では、先ほど申しましたように、対象業務は県税の納税証明に限定をされております。したがって、現在の対象である限りにおきましては、メリットはそう大きく発生するようなものにならないというふうに考えております。  今後の民間活力導入の取り組みについてであります。県の方では、これまでもアウトソーシングの推進計画に基づきまして、総務関係の事務の集中化、職員研修、パスポートの発給業務といったものを民間に委託をいたしました。さらに、三十九の公の施設につきましては本年四月から指定管理者制度を導入いたしております。今後とも、引き続きアウトソーシング計画の趣旨に沿いまして、民間委託の推進あるいは指定管理者制度の対象施設の拡大などについて検討を進めてまいる考えであります。 29 ◯議長(藤田 陽三君) 亀谷正君。 30 ◯四十七番(亀谷 正君)登壇 知事、御答弁ありがとうございました。  六月二日に公布されました今回の競争の導入による公共サービスの改革に関する法律、いわゆる公共サービス法、これは市場化テストとして新聞などでは、法整備で潜在的な市場規模は大きく、官から民へ新たな商機が急拡大するなどと掲載されていました。私自身も人一倍関心を持ち、また期待をしておりましたが、今の内容をお聞きしますと、国や市町村においてはある程度の業務が規定されておりますが、現時点で都道府県いわゆる福岡県が実施するものとしては県税の納税証明だけというのであり、期待外れの法律で、少しがっかりもしております。しかしながら、この法律の適用は今後拡大していくものと思われますし、また今までと違って県と市が共同で一つの施設を建設、運営していくなど、また新たな事業もふえてきております。PFIや指定管理者制度なども含めて、今後とも民間にできることは民間に、の趣旨に沿って、民間委託の推進に御努力をお願いしたいというふうに思います。  最後に、今回、稗田副知事の後に海老井副知事を抜てきされました麻生知事の英断に敬意を表します。今まさに、若者の間ではエビちゃん旋風が巻き起こっておりますし、エビちゃん現象とまで言われております。福岡県政においても、海老井副知事によるエビちゃん旋風が巻き起こることを期待いたしまして、今回の質問を終わります。(拍手) 31 ◯議長(藤田 陽三君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時二十分といたします。           午 後 零 時  十一分  休 憩           午 後 一 時 二十二分  再 開 32 ◯副議長(北原 守君)再開いたします。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。順次発言を許可いたします。入江種文君。(拍手) *入江議員質問 33 ◯六十三番(入江 種文君)登壇 皆さん、こんにちは。福岡県政クラブの入江種文です。早速、通告に従い一般質問をいたします。  まず、粕屋新光園の整備についてお伺いします。  福岡県が全国に誇る県営施設の一つに粕屋新光園がございます。この新光園は、児童福祉法に基づいた肢体不自由児施設でございますけれども、体に機能障害のある子供たちが入園して手術や機能回復訓練を受けられる医療機能を持っております。隣接地には学校がございまして、教育も受けられる施設としてあります。新光園は、昭和二十八年三月に福岡県児童福祉協会の運営により発足いたしました。すぐに経営的に行き詰まり、翌二十九年四月には県立施設として再発足し、現在に至っております。この新光園は、障害児に光をもたらす施設として名をはせています。ところで、ここの施設の改築問題は、二十年前から検討されているにもかかわらず、遅々として進んでいません。いつも振り出しに戻っているというのが関係者の実感であります。時期を失していると、そう言えるほど時間をかけ過ぎているように思います。すべてに成果やコストを求める風潮において、福祉に対する貧しさを感じているのは私一人ではないと思います。この新光園は、老朽化した建物だけではなく、組織体制、機能などのすべてが時代に取り残された感じを持たれています。施設の規模も全国の施設に比べて、前園長の松尾隆先生がこうおっしゃっています。新光園は小さく、子供たちは狭い、きれいでない環境に押し込められ、雄県福岡の福祉施設と言うには少々恥ずかしいもの、こうおっしゃっています。今、知事の英断において改革が決定されたとしても、あと数年はこの施設を存続することが必要となっています。サービス低下を招かないように、施設の改善も行わなければなりません。  ところで、新光園は昭和も終わろうとする六十年代の行政改革の中で、機能の見直しが提言されまして既に二十年が経過しております。平成二年に行われた新光園の機構改革の時点で改築に向けての検討が始まり、その後、有識者による新光園のあり方検討会や部内の改築検討会などが幾度も繰り返されてきました。しかし、決定打はないまま日の目を見ることはございません。平成十二年一月には、第二次行革の中で、県営福祉施設等改善計画が策定され、厚生委員会に報告されました。その報告において、新光園は機能強化と病棟体制の見直しなどを条件に県立施設として存続すること、そして改築が約束されていました。それから既に六年が経過しました。県立福祉施設の改革に加え、県立病院の改革計画もほぼ終了しようとしています。新光園は、これから一体どうなっていくのでしょうか。平成十三年の十二月議会において、私の質問に対し、知事と保健福祉部長に前向きな答弁をいただきました。現場の関係者は喜色満面で受けとめました。しかし、福岡県よりも歴史が浅く、はるかにおくれて改革計画が出された他の県の肢体不自由児施設は、例えば高知県、熊本県、鳥取県、長崎県、愛媛県などなど次々と改築と機能強化を実現しています。改築年度が遅いほど、綿密な計画に基づく独自の特殊性を網羅した先駆的な計画のもとに、これらは県立としての障害児医療、福祉、教育を連動させ、実践する施設として改革されております。そこで、知事並びに保健福祉部長に質問いたします。  まず、雄県福岡として、また全国知事会会長としての麻生知事は、福祉行政に対し、とりわけ障害者福祉についてどのような基本的認識をお持ちなのかお示しください。さらに、県立粕屋新光園についての基本的な認識やその評価をお聞かせください。  知事も御承知のとおり、福岡県の肢体不自由児福祉行政は、現場の新光園では、日本のみならず世界の肢体不自由児行政のあり方をリードする先駆的な取り組みをしてまいりました。そのため世界からも多くの研究者たちが訪れてきている、そういう実績を持っております。  ところで、県営福祉施設改善計画に基づきまして、保健福祉部の中に置かれた粕屋新光園改築検討会議のまとめとして、平成十五年十月に粕屋新光園あり方検討方針が示されましたが、そこには広域的、専門的な対応を要するため、民間福祉施設では現に対応が困難な施設に特化し、その機能の明確化と必要な体制に整備を図る、と肢体不自由児施設機能の見直し、医療機能の見直し、入所定員及び病棟体制の見直しなどを行うことが検討されたとお聞きしています。  そこで、その後改築検討会議が示したそのまとめの進捗状況はどうなっているのでしょうか。粕屋新光園を県立、県営で障害児の医療、福祉の拠点として機能させるために、障害者自立支援法のもとで療育支援機能などを含め、具体的な機能強化について保健福祉部としてのこの間の取り組み状況と基本的な考えについて、保健福祉部長、具体的にお示しください。  もうここらで堂々めぐりの議論のための議論や検討をやめ、実際問題、改革が県民に具体的にわかるようすべきと考えますが、いかがでしょう。そのためにも、私は障害児のニーズを的確に把握し、家族への思いを本当に理解する中からこの新光園の姿を総合的な拠点施設として県民に早急に指し示していただくことが重要と考えています。  最後に、これまでの長きにわたる検討の結果として、福岡県立の名にふさわしい障害児施設の改革に向けたスケジュールを提示すべきだと思います。そのためにも、麻生県政の重点施策として新光園を位置づけ、明確な方針を出すべきだと考えます。長年この新光園にかかわってみえた松尾隆先生が、粕屋新光園の機能改善病院のあり方を、安上がりの相談施設に変えるのではなく、障害者の苦痛を軽減し、健常者との差をなくすとする麻生知事の福祉行政の中核と位置づけ、これまで狭く、暗く、不便だった新光園を日本の肢体不自由児行政をリードする明るい施設に変えてほしい、こう切々と訴えてあります。この要望にこたえる知事の明快な力強い新光園の改革に対する決意をお伺いし、この項の質問を終わります。  次に、義務教育を失った人たちの教育保障について伺います。  ある七十歳代の女性からお手紙をちょうだいいたしました。  私たちの子供は、養護学校義務化の時に年齢が何年か過ぎていたために義務教育を保障されませんでした。そのときはとても残念でしたが、障害も重いので仕方がないとあきらめ、就学猶予という判定を受け入れました。でも、隣のベッドで勉強している学校に行ける人たちの姿や、学校の先生方と楽しく過ごしている同じような障害を持っている人たちを見たり、話を聞いたりするたびに、ぜひうちの子供にも学校で勉強させたいと強く願うようになりました。これは保護者だけの願いではなく、ベッドで過ごすしかない当事者本人の熱い思いでした。いろんなところにお願いに行きましたが、すべてがだめとあきらめざるを得ませんでした。しかし、ここ数年で大きな変化が全国で起こり始めています。多くの県で次々に年齢超過の人たちが学校に行けるようになってきました。どうぞ福岡県でも麻生知事さんや森山教育長さんの決断で私たちの子供に義務教育を保障してくださることをお願いします。  こう述べてあります。養護学校が義務制になってから二十八年目を迎えることになりました。子供たちが学校に通うことは、教青を受ける権利として明確に存在すると憲法や教育基本法に明記してあります。そのため、保護者には子供を就学させる義務が、行政には子供がちゃんと通える学校を設置する責務、すなわち条件整備がそれぞれに課せられています。ところが、一九七九年(昭和五十四年)の四月まで、養護学校に限って行政の設置義務が免除されていました。六〇年代後半から、どんなに障害が重くても学校に通わせたい、と保護者の運動が草の根で広がり、東京や京都、大阪などを初めとする自治体では、国の義務化を待たずに就学を保障する取り組みが広がってまいりました。その広がりが、養護学校義務化への大きな力、うねりとなってまいりました。そこで、この障害児教育の変遷を振り返るため、六〇年代後半の認識を文部官僚の文章で見てみたいと思います。当時の表記のまま使用しますので、表現上不適切と思うところもありますが、御容赦ください。  一九六五年度版の精神薄弱者問題白書に記載されているものであります。そこにおいて、文部省の特殊教育課長が就学猶予、免除について「知能指数四十五以下の教育不可能の段階を除いた教育可能な児童生徒が義務教育段階における精薄教育の該当者」、「いわゆる白痴、重症痴愚の者は、学校教育法の判定により、就学免除、猶予の手続きにより、児童福祉に収容される建前になっている」という考えを示し、重度の障害児に学校教育の門戸を閉ざしてきました。そのため、六〇年代から七〇年代の前半まで重度の障害児の多くは、福祉施設に収容か、または在宅を余儀なくされてきました。お隣の山口県では、義務化前の年に当たります一九七八年の記録では就学猶予、免除者で学校に通えなかった障害児が百十六名、学籍は与えられたけれども在宅訪問教育となった障害児が九十四名だったと報告されています。そうした差別的な実態が重度の子供にとって養護学校が義務化され、それと同時に重度重複の子供たちを含め養護学校への受け入れが進んだことによって、閉ざされた生活の場を大きく転換するという歴史的な意義を持つこととなりました。そこで、教育長にお尋ねします。  福岡県において一九七九年(昭和五十四年)の養護学校義務制以前に教育を受ける機会がなかった方々が義務化前年の一九七八年には何人の就学猶予、免除者がいらっしゃったのでしょうか。また義務化が図られた一九七九年(昭和五十四年)、さらに国連世界障害者年の最終年である一九九二年、そして二〇〇五年における障害を理由とした就学猶予、免除者の実態をまずお聞かせください。  次に、七九養護学校義務化はこれまでの日本の教育を一大転換するものとなったと考えます。しかし、当時の教育界では、かんかんがくがくの議論を行ったことを今では懐かしく思い出します。教育長は、この養護学校義務化が果たした役割、評価についてどのような所見をお持ちでしょうかお尋ねします。  ところで、冒頭紹介しましたように全国的に見ますと就学猶予、免除された皆さんが受けられなかった教育を取り戻したいと、その就学保障の取り組みが各地で先進的に行われてきた状況にあります。私が直接かかわった、一弘さんという四十代半ばの方の事例ですが、これまでは病院だけの生活だったために、人とかかわるのがすごく苦手な一弘さんでした。特定の人としかかかわれず、知らない人やほかの人から話しかけられたりすると、よく声を出したり激しく泣いたりしていました。ところが、今では全くそういうことはなくなりました。一人で、スクールバスに乗って高等部に通学しています。七十代の御両親は、全く信じられないほどの成長ですと感謝されています。そして、あのとき猶予、免除申請したことを悔いながら、就学に伴う一弘さんの変化を楽しみにしてあります。今では中学部から高等部へと進学し、大きな集団の中でも何の支障もなく過ごせるようになってきています。三年前からはとても想像もできません。生活面では、例えば飲み物一つをとっても、ジュースと牛乳しか飲んだことがなかった一弘さんでしたけれども、また飲むときも哺乳瓶のようなピジョンでしか飲めなかった一弘さんが、コーヒーからビールまでコップで飲めるようになりました。また、プールでは介助しないで一人で浮くことができるようになりました。手を使うことも一切自分からはしなかった一弘さんですが、今では自分から積極的に手を伸ばしたり、物をつかもうとしたり、相手に気持ちを伝えようとしたりしています。また、野外学習で初めて行ったお店の店員さんや見知らぬお客さんに笑顔であいさつしたりと、物すごく大きな成長を果たしたと思います。  時間があれば、もっともっと成長したことは間違いありません。このような成長の事実を見聞きした皆さんが、就学を、教育を求めてあるのです。九州のある県では、こうした願いを持つお母さん方、お父さん方と、そして御本人とある知事さんとの話し合いが行われました。その話し合いの中で、知事さん自身が自分のお子さんの経験とダブらせ、法律や条例などの壁を乗り越える英断を行われました。その結果、知事部局、県教委一体となった検討を一気呵成に知事主導のもとで行われ、義務教育を失われていた学校教育希望者の二十数名が県立養護学校への入学を許可され、今も実践されています、そこでは、最高齢六十歳代の小学生が生まれたと地元紙に大きく報道され、県民の教育、福祉への大きな関心を高めたところであります。その県では、教育の機会均等や自立支援を求める観点から、学校教育の機会の保障に積極的に取り組んであります。地方自治のリーダーでもあります麻生知事ですから、その県における取り組み以上の仕組みをつくっていただけるものと、当事者や保護者は期待を大にして今この傍聴の席で見聞きしてあることを知事にもお伝えしておきたいと思います。
     そこで三点目の質問は、このような実践に対する教育長の率直な感想とお考えをお示しください。  ところで、このような陳情を解決するため、県教委は個人情報の保護の観点もあり知事部局との緊密な連携によって実態把握を行うことが重要と考えます。また、各地教委によっては文書保存年限が異なっているということなどもあり、その実態把握の問題点もございます。ちなみに、私が把握しているA病院では十年ほど前は数え切れないほどの希望者がいらっしゃいました。ところが、年月を経る中で一人一人と就学への意欲は強まりながらも、現実の壁に翻弄され、あきらめが先行し、就学希望者が減っていき、ことしはほぼ半数に下がり十名を割ってしまいました。また、保護者の相互連絡などによって他県の実施状況を知ったB病院では、二十名の希望者が出てきました。また、C施設では三十名くらいの皆さんが教育を受けたい、受けさせたいと願ってあることが明らかとなっています。そのC施設では六十二歳の方が二人就学を望んであります。このように就学猶予、免除された方々の年齢が高齢化してきているのが現実問題であります。したがって、一刻も早く義務教育を失った人たちの就学への意欲に政治的にも、人道的にも早急に取り組むべきではないかと考えます。  そこで最後に、このように七九養護学校義務化以前に就学猶予、免除措置を受け、教育の機会に恵まれなかった方々に対して、教育長はどのような考えや展望を持ってこれから臨まれるのかお答えください。だれもが生きてきてよかったと実感できる、そんな社会でありたい、そのことを訴えまして、私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 34 ◯副議長(北原 守君) 麻生知事。 *知事答弁 35 ◯知事(麻生 渡君)登壇 粕屋新光園の整備の問題についてであります。  まず、前提となります福祉行政についてどう考えておるのかというお話でございますが、福祉行政を推進するに当たりましては、障害などによりまして社会的なハンディキャップを負った皆さんもそれぞれ地域で自立した生活を営む、生き生きと社会活動に参加できますように社会全体で支え合う仕組みを構築することが重要であるというふうに考えております。  粕屋新光園について、どんなふうに考えておるのかということについてであります。粕屋新光園は、機能の障害のある児童に対しまして手術を行う、さらに機能回復訓練を行う、障害の軽減をしていく、悪化を予防しながら学校教育も受けられる児童福祉施設といたしまして、肢体の不自由な子供さんたちの社会復帰に大きな貢献をしているものであるというふうに認識をいたしております。  粕屋新光園の整備についてでございます。この新光園の整備改革につきましては、施設の機能の充実、施設設備の改善、病棟体制の見直しなどによりまして運営の効率化など総合的に検討を進めております。今後、財政状況もございますが、できるだけ早い時期にこの改革について結論を出したいというふうに考えております。 36 ◯副議長(北原 守君) 山崎保健福祉部長。 *保健福祉部長答弁 37 ◯保健福祉部長(山崎 建典君)登壇 粕屋新光園における具体的な機能強化の取り組み状況についてでありますが、保健福祉部内に設置をいたしました改築検討会議において施設機能の充実、入所定員及び病棟体制等の見直しについて検討を行い、実施可能なものから取り組んできているところであります。具体的には、要望の多い短期入所について人員配置等の体制確保を図り、その積極的な受け入れを実施するとともに、平成十七年度からは専門職員を三名増員し八名体制で地域支援室を設置し、民間施設や市町村などへの技術支援を開始したところであります。 38 ◯副議長(北原 守君) 森山教育長。 *教育長答弁 39 ◯教育長(森山 良一君)登壇 まず、養護学校義務化によります就学猶予等の状況についてでございます。学齢に達し、義務教育段階にある児童及び生徒の中で、障害を理由といたしまして就学を猶予または免除されていた児童生徒の数は、養護学校義務制実施の前年度に当たります昭和五十三年度においては四百九十四名でございましたが、義務制が実施をされました昭和五十四年度には二十五名と著しく減少をいたしております。その後、国連障害者の十年の最終年であります平成四年度は十一名、平成十七年度は四名となっておりまして着実に減少をいたしております。  次に、養護学校義務化が果たした役割や評価についてでございます。養護学校義務制の実施によりましてそれまで就学を猶予または免除されていた障害のある児童生徒の未就学の状況がほぼ解消され、教育の機会均等の理念を実現する上で意義深いものであったと認識をいたしております。さらに、世界的なノーマライゼーションの進展やその実現のためのさまざまな社会環境の整備と相まって、ともに支え合う共生社会づくりやその理念の浸透に一定の役割を果たしたものと考えております。  次に、実践事例に対する感想についてでございます。御指摘の実践事例につきましては、障害のある方が年齢にかかわらず努力をされることによって成長をし、そのことが生きがいにもつながったものであると感じておりまして、感銘を受けておるところでございます。このことから、人間は子供の時代だけではなくて、生涯を通じて成長するものであること、またそうした人間の成長に資するということが教育という営みの本質であるということを考えさせられまして、深く感動をいたしております。  最後に、教育に恵まれなかった方々に対する考え方についてでございます。昭和五十四年度の養護学校義務制の実施のときに、既に学齢を超えられておりまして、義務教育を受けられなかった方々が相当数おられました。また、その中で就学を希望しておる方がおられるということにつきましては、課題として認識をいたしております。このため、こうした就学希望を持たれておる方々の実情や他県の実施状況等も踏まえまして、今後研究をしてまいりたいと考えております。 40 ◯副議長(北原 守君) 入江種文君。 41 ◯六十三番(入江 種文君)登壇 御答弁ありがとうございました。森山教育長に要望と麻生知事に再質問させていただきます。  義務教育を受けられなかった皆さんの教育保障についてであります。要望です。  現在、憲法や教育基本法の議論が活発に行われておりますが、七九養護学校義務化以前には、毎年権利とは申しながらも就学猶予、免除された方々が一年に五百人も就学できなかったという現実に、ただただ驚いています。戦後だけ三十年と見ましても、五百人をなべて考えれば一万五千人に近い方が猶予、免除されてきたであろうということを考えると、非常に大きな教育課題になるというふうに思っています。教育長は、答弁の中で、人間は子供の時代だけではなく生涯を通じて成長するものであること、またそうした人間の成長に資することが教育という営みの本質であると答弁されたとおりだと思います。それだけに、そうした方々が求めてある就学権を何らかの形で保障する取り組みを前進させていただきたいと思います。義務制で、ことしは幸いに就学猶予、免除状態がゼロ名になっております。先ほどの話では四名ということでございましたけれども、ゼロ名になっているという、こういう成果を新たに発展をさせていただきたいと思います。過年齢の義務教育を保障する会の要望書の中に、昨年は九州の二県で一度に二十数名の私たちと同じような立場の四十代から六十代の人たちが義務教育を受けられるようになりました。私どもの子供も随分な年齢になっていますが、多くの保護者が七十歳代を迎えております。残念な気持ちを持ったまま、もう亡くなったり体が思うように動かなくなってきている方もいます。就学を希望する方も、いろいろな状況の中でだんだん減ってきています。もうこれが最後の時期だと思います、と述べてあります。どうか県教委におかれましては、障害者福祉に本当に理解のある麻生知事でございますので、その協力を得て両政令市──福岡市、北九州市その両市教育委員会とも十分協議を踏まえて、自立支援という方向性からも具体的に前向きに、早急に対応されますことを強く要望しておきたいと思います。  次に、新光園問題について再質問いたします。機能強化については、いろいろな考えがあることは承知のとおりです。このことについては、提案したいこともたくさんありますが、ここはもうすべて削除します。  知事は、今答弁の中で、今後財政状況も考え、早い時期に結論を出すと、これまでよりも一歩進んだ決意を示され、歓迎したいというふうに思います。しかしながら、何ゆえこれまで二十年たっても改革できなかったのか、そのことについては知事はどのように考えてあるのでしょうか。さらに、スケジュールを示す上では知事がこの際新光園を県政の重点施策として位置づけることが重要ではないかと私は指摘をいたしました。その重点施策として位置づけ、取り組んでいくその知事の構えを、その決意のほどはいかがなものか、再度答弁を求め私の再質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 42 ◯副議長(北原 守君) 麻生知事。 43 ◯知事(麻生 渡君)登壇 粕屋新光園の改革についてでございます。本県は県立病院の民営化に取り組んだわけであります。その際に、粕屋新光園、これをどうするかということが一つの課題でございました。この粕屋新光園については、果たしている役割、なかなか民間病院でできるような問題ではないということがございまして、民営化の対象にせず、県営としてやっていこうという方向を打ち出したわけであります。このように県営としてやっていくわけ、方向はあるんですけれども、じゃこの新光園は今のままでいいかとなりますと、やはり将来の新光園の役割そしてそれに見合ったあり方、規模、運営の仕方、こういうことをよく検討した上で改築に取り組んでいくということが必要であるわけでありまして、一方で財政事情ということもございます。このようなことを総合的に検討を重ねて結論を出し、実行していこうということで進めているわけであります。 44 ◯副議長(北原 守君) 鬼木誠君。(拍手) *鬼木議員質問 45 ◯八番(鬼木 誠君)登壇 こんにちは。緑友会・新風の鬼木誠です。通告に従い、教育について二点質問いたします。  まず第一点、情報教育についてです。現代は、高度情報化社会とも言われます。情報化の流れをより大きく促進したのがIT革命であります。IT革命とはインフォメーション・テクノロジー、つまり情報技術の革命です。情報技術の飛躍的な発展により、世界の経済、文化が革命的に変化を遂げています。日本もその例外ではなく、日々移り変わる技術革新の真っただ中にいます。みなさんはユビキタスネットワーク社会という言葉は御存じでしょうか。ユビキタスとは英語で、どこにでもあるという意味です。携帯端末や家庭用ゲーム機などあらゆる機器がインターネットに接続され、情報のやり取りができる社会をユビキタスネットワーク社会といいます。いつでも、どこでも、どこからでも情報がやり取りできる時代の到来です。あらゆる情報機器がネットワークでつながるデジタル社会が、二〇一〇年ごろには本格的に訪れると言われています。しかし、ここからが問題です。私たちがあふれんばかりの情報を有効に活用できているかとなると、それは甚だ疑問です。インターネット上には膨大な情報があふれています。正しいものもあれば間違っているものもあります。それらの情報を使いこなす力量が備わっていなければ、情報とは有益な薬ではなく、有害な毒ともなりかねません。私が常々感じているのは、日本人は情報に対して全く無防備であるということです。すべての情報を真実だとうのみにしてしまう傾向があります。  私がかつて銀行に勤務していたときの話です。さまざまな方がお金を借りに窓口にいらっしゃいました。この商品はアメリカの○○大学の○○教授が開発して、○○選手が利用して金メダルを獲得した、といった話や、この商品は、○○新聞や○○というテレビ番組の中で紹介された、という話。さらには、議員の○○さんも愛用している、などという話がしょっちゅうやってきました。大きな話になればなるほど根拠に乏しい作り話でした。今思えば、そこで私は情報の真偽を見抜く目を養いました。銀行をだまして融資を引き出そうとする人たちのやり方にはさまざまな共通点がありました。それは、日本人の弱点を巧みについた話術です。先ほどの三つの例に見られるように、日本人は本や新聞などの活字、テレビや映画などの映像、芸能人やスポーツ選手といった著名人に弱いのです。活字や映像、著名人の言っていることはすべて真実だと思ってしまうのです。最近でもよくこんなものにひっかかるなあと感じるような詐欺事件がたくさんありますが、それらはこうした日本人の情報に対する弱点を巧みについているのです。  そこで、私が訴えたいのが情報教育です。情報教育は、現在ではアメリカでも日本でも取り上げられつつあるようですが、私がここで言いたいのはパソコンの使い方を教えるのが情報教育ではないということです。パソコンは、情報を取り出す道具でしかなく、その情報を生かすも殺すも本人の能力次第です。パソコンの動かし方のみを教えて情報教育と満足するのは「仏つくって魂入れず」だと言えます。大事なのは、子供がパソコンを使いこなせるようになるという技術的な問題以前に、あふれる情報の中でその真偽を判別し、正しい情報を活用する能力だと私は考えます。情報を取り出すことだけを教えたのでは、子供たちはあふれる情報に踊らされることとなります。今までの情報発信の主役は、テレビ、新聞といったマスメディアでした。大衆に向かって一方的に発信される情報は、そのすべてが真実であるかのように伝えられてきました。しかし、情報というものには必ず発信者の意図や主観があり、多かれ少なかれそれぞれのバイアスがかかっています。それがいいとか悪いとかではなく、情報とはそもそもそんなものなのです。しかし、そのことすら教えられないまま、すべての情報を疑いなく受け入れるという状況が日本では続いています。日本は国際的な情報合戦の中で、諸外国の後塵を拝しています。情報というものの価値を理解し活用できるかどうかは、国の明暗を分けるほどの大問題だと私は考えます。すべての情報は疑うべき存在であると認識すること、情報の出どころはどこかを確認する習慣を身につけること、情報の真偽を見抜く目を養うこと、情報を分析し自分の頭で考え、自分なりの答えを出す能力を鍛えることなどなど、パソコンを扱う以前に教えなければならないことがたくさんあります。  そこでお尋ねします。現在、義務教育、高校教育において、情報というものに対してどういう教育が行われているのでしょうか。また、情報教育というものがどうあるべきかについて、教育長の御見解をお聞かせください。  二点目は郷土の歴史や伝統文化を尊重する教育についてです。先日、私は地域の小さなお祭りに参加しました。小さな神社の例祭に十数人の地域の方々が集まりました。福岡市内には黒田藩ゆかりの史跡や祭りが残っており、この地域でもそうした歴史、文化を守っています。しかし、この取り組みを支えている方々の高齢化とともに、それを継承する地域のコミュニティーが崩れかけているというのが現実です。伝統行事、伝統文化の継承が断絶しつつあるという危機感を持ちました。金印、大宰府、元寇防塁、福岡には本当にたくさんの文化遺産、歴史遺産があります。偉大な先人もたくさんいらっしゃいます。自分が生まれ育った町や地方や国の歴史を知り、先人の偉功を学ぶことで、昔の日本人はこんなに偉かったんだなあ、僕らの祖先はこんなに頑張ってきたんだなあ、と感じることができます。たくさんの先人たちの営々たる努力の上に今日の自分たちの繁栄があることに気づき、目上の方々を敬う気持ちが生まれます。また、そこで自分の先祖に思いをはせることで、自分のルーツ、そしてアイデンティティーを意識するようになります。そして、今日までのこの国を築いてきた先人たちへの敬意と日本人としての誇りを自然に身につけることができると考えます。先月、私は生まれて初めて北海道の旭川に行ってきました。旭川は私の祖父が生まれた地です。国策として北海道開拓のために、曾祖父の一家が旭川に駐屯していたという話を両親から聞かされておりました。マイナス四十一度という日本の最低気温の記録を持つ旭川の荒野を私の曾祖父が開拓してきたことを思うとき、その苦労や努力がしのばれ頭が下がる思いでした。現在の旭川の人口は三十万、碁盤の目のように整備された町並みに沈む夕日を見て、曾祖父を初め北海道開拓に当たった人々のことを大変誇らしく感じました。  先週末には、唐人町の劇場で福岡の歴史をテーマとしたお芝居を見てきました。黒田藩がつくった西の学問所甘棠館、その初代館長亀井南冥と、志賀島の金印をめぐる物語です。ちなみに、東の学問所が修猷館、現在の県立修猷館高校であり、これもまた劇中に登場いたしました。教科書的な難しい話ではなく、楽しく見ながら地元の歴史に興味が持てるといったものでした。ここ唐人町はその昔、まさに西学問所甘棠館があった地であります。地元劇団である劇団ショーマンシップが、福岡の歴史物語をオリジナルの演劇唐人歌舞伎として後世に語り継いでいます。また福岡の近現代の歴史にスポットを当てている演劇もあります。ギンギラ太陽'Sという劇団は、役者が頭にかぶり物と呼ばれる衣装をかぶり、福岡の近現代の出来事をテーマにコミカルな舞台を演じております。福岡のデパートやスーパーマーケット、しにせお菓子店など、地元企業の盛衰を涙と笑いを交えて演じております。これは偉人の伝記物ではないのですが、だからこそより身近で、具体的に福岡の近現代史が迫ってきます。このように身近な郷土史を学ぶことは、みずからのアイデンティティーの形成に役立ち、自尊心を高めることにつながります。逆に、日本の歴史や伝統文化が否定的に語られることは、青少年にもいい影響を与えないのではないかと考えます。私たちをはぐくんできた歴史と文化に誇りが持てないということは、ひいてはみずからのルーツの否定であり、自己否定につながります。今までの君は間違いばかりだったけど、きょうから全部入れかえて正しくなろうね、と言われて自分に誇りが持てる人がどれほどいるでしょうか。同様に、君の両親、祖父母は間違ったことばかりしてきたんだ、と言われて自分に誇りが持てる人もいないでしょう。やはり、両親、祖父母の頑張りがあって今の君があるのだよ、と教えられた方が、子供は誇りを持って健全に育つことができると思います。教育基本法の議論が盛んな昨今ですが、私の思う愛国心とは、外から強制されるものでもなければ、強要できるものでもなく、内からわき起こるものであります。また、そこで言う国とは国家体制のことではなく、日本の風土、文化であり、生まれ育った身近な郷土や優しい国民性のことなのだと思います。郷土や歴史、文化を愛し誇りを持つことは、自分自身を愛し誇りを持つことにつながると私は考えます。  この項の冒頭に申し上げたように、現在、地域コミュニティーの人間関係が希薄化する中、郷土の歴史、伝統文化を子供たちに伝える機会が減少しています。しかし幸いなことに、福岡にはまだまだたくさんの歴史遺産が残っています。これらの資源を有効に活用し、青少年に郷土の歴史、文化をしっかり教え伝えていくことが必要だと考えますが、教育長はいかがお考えでしょうか。教育長の御見解とこれまでの取り組み状況をお答えください。  以上二点についてお尋ねいたします。学力向上を目指しながらも、このようにさまざまな教育を要求されることは、教育現場にとっては大変な負担であろうかとも推察しますが、そのすべてが子供たちのために必要だと確信しておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。  以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) 46 ◯副議長(北原 守君) 森山教育長。 *教育長答弁 47 ◯教育長(森山 良一君)登壇 まず、情報教育の状況と見解についてでございます。情報教育は、情報の正しい理解に基づきまして、情報を取捨選択をして効果的に活用する力や適切に管理する情報モラルなどの育成をねらいといたしておりまして、その基盤には確かな学力、豊かな心の育成がなければならないと考えております。小中学校におきましては、各教科等におきまして問題解決的な学習とか体験的学習を通じて、発達段階に応じた情報活用能力の育成を図りまして、高校では教科、情報を設定いたしまして、情報社会に主体的に対応できる能力を育成する教育を推進をいたしております。今後は、特に社会の一員として、情報の受け手、発信者として責任ある行動がとれるよう、情報教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、郷土の歴史や伝統文化を尊重する教育の現状と見解についてでございます。小中学校におきましては、社会科や総合的な学習の時間などにおきまして、郷土芸能とか先人の業績などを教材といたしまして、地域理解や文化の継承などの体験的な学習を行っております。特に、総合的な学習の時間におきましては、小学校の八割、中学校の六割で、郷土の歴史、文化を題材に学習を行っております。このような教育は、地域理解を促進して、先人の生き方を学ぶために、地域の一員としての自覚や誇り、地域への愛情を高める大切な教育であると考えております。今後とも、地域の歴史や文化を題材とした学習の充実に努めてまいりたいと考えております。 48 ◯副議長(北原 守君) 鬼木誠君。 49 ◯八番(鬼木 誠君)登壇 簡潔な御答弁の中でしたが、この質問に当たって歴史、伝統文化の教育、そして情報教育について、私も勉強させていただきました。歴史や伝統文化を尊重する教育の方は大分盛んに行われつつあるようですが、私は情報教育の方はまだまだその緒についたばかりであるという印象を持っております。一つの情報を一方的な視点でとらえるのではなく、多面的に分析していく能力、そしてそこからさらに進んで自分の頭で考え、そしてさらに自分の言葉で表現していくということが今後必要ではないかと考えております。人が言葉を発するときに、どうしてもその発している言葉がどこかで聞いたそのままのフレーズが受け売りで流れてしまうという場面をよく耳にしております。特に、柔軟な子供たちにとっては、自分の頭で考え、そして自分の言葉で語るという訓練をさせていただきたい。それも、情報教育の一環として行っていただきたいと思います。  答弁も大事でありますが、現場でどれほどのきちんとした指導をしていただけるかがより大事でありますので、ぜひつくった仏に魂を入れる教育を要望いたしまして、私の質問を終了させていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 50 ◯副議長(北原 守君) 高橋雅成君。(拍手) *高橋(雅)議員質問 51 ◯二番(高橋 雅成君)登壇 皆さん、こんにちは。公明党の高橋雅成です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  初めに、肺炎を予防するワクチン接種について質問します。  肺炎は、がん、心臓病、脳卒中に次いで、日本人の死因の第四位となっています。毎年約九万人が肺炎で亡くなり、そのうち六十五歳以上の高齢者が九五%を占めています。肺炎による死亡者数は、戦後一貫して減少してきましたが、近年、毎年増加する傾向にあります。これは、小児領域での風邪や発熱に対して抗生物質が多用されたために、抗生物質の効きが悪い耐性菌の肺炎球菌が増加したことが原因とされ、一部の抗生剤に対しては、既に四〇%が耐性菌になっているとの報告があります。ところで、肺炎の病原体には細菌やウイルスなど幾つも種類がありますが、肺炎球菌によるものが肺炎のおよそ半分を占めています。そして、この肺炎球菌を防ぐワクチンがあることが日本では余り知られていません。肺炎球菌ワクチンの効果は、海外の研究などで既に実証されています。例えば、アメリカ・ミネソタ州の老人ホームで一九九六年から九九年の冬季四カ月間、高齢の慢性肺疾患患者に肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを併用し、ワクチンを接種しないグループと比較したところ、ワクチン接種グループでは入院リスクを六三%、死亡リスクを八一%削減したそうです。また、スウェーデンのストックホルム市で、九六年から三年間実施した大規模追跡調査では、市の高齢者二十六万人のうち十万人にワクチンを接種し、未接種者約十六万人と比較したところ、六十五歳以上の全死亡リスクが五七%低下したという報告があります。こうしたことから、世界保健機構は肺炎球菌ワクチンの接種を推奨しておりますし、アメリカでも国が高齢者への接種を推奨し、六十五歳以上の約七割が肺炎球菌ワクチンを接種しているとのことです。また、カナダでは全額公費負担でワクチン接種ができるようになっているそうです。これに対して日本では、ワクチンを接種している高齢者はわずか三%と言われているのが現状です。肺炎球菌ワクチンが効果的であることについて、知名度が著しく低い上、脾臓摘出者以外には保険が適用されないため、七千円から九千円程度、高いところでは一万円もすると言われる費用を全額自己負担しないといけないことも原因であろうと思います。また、肺炎球菌ワクチンに対する厚生労働省の態度ですが、同省の予防接種に関する検討会がことし三月に取りまとめた中間報告に、「海外では……有効性を示唆する研究が報告されており、国内でも知見が集積されつつある」としながらも、「予防接種法の位置付けについての検討は、わが国において有効性、安全性、費用対効果等の研究を進め、更に知見を収集することが前提となる。」とあるように、肺炎球菌ワクチンの予防接種に必ずしも積極的ではなく、こうしたこともワクチン接種が広がらない一因であると感じております。こうした中、全国の自治体で肺炎球菌ワクチンの接種費用を助成する動きが出始めています。現在、全国で三十ほどの市町村が助成制度を導入しており、ねらいの一つは、高齢者がふえていく中で、医療費の削減につなげようというものです。このうち、北海道の瀬棚町は、平成十三年度に全国で初めて助成制度を導入しました。同町は六十五歳以上の町民を対象に、三千八百円の自己負担金で肺炎球菌ワクチンの集団接種を実施するとともに、瀬棚町国民健康保険医科診療所で五千五百三十円の自己負担のみで個別接種にも応じるようにしました。初年度は二百九十九人、次年度は七十六人がワクチンを接種し、その後も二十五、六人の高齢者が新たにワクチンを接種、今では約八百人のお年寄りのうち六割が予防接種を受けているそうです。ワクチン接種とともに講話なども進めた結果、予防の意識が高まったこともあり、同事業を始めた翌年の平成十四年度は医療費が半額に減るという快挙を達成しています。そこでお尋ねします。  肺炎が原因で亡くなる方の数は年間、県内にどれくらいいるのか。  肺炎球菌ワクチンについての基本的な認識はどうか。  福岡県内の市町村で肺炎球菌ワクチンの接種に助成制度を持っている自治体はありますでしょうか。  抵抗力が弱っている高齢者を肺炎から守るため、ワクチン接種を受けるよう呼びかける考えはありませんでしょうか。  医療費の抑制の意味も含めて、市町村に助成制度を導入するよう働きかける考えはありませんでしょうか。  以上、五点にわたり知事の御所見を伺います。  次に、空き家、空き店舗、廃屋などの安全管理について質問します。  ことし四月二十一日、岐阜県中津川市の元パチンコ店の空き店舗内で、同市内の中学二年生の女子生徒が殺害されていたのが発見され、高校一年生が犯人として逮捕されました。現場となった空き店舗は五年ほど前から使われておらず、施錠もされていないという状況で多くの若者のたまり場になっていたということです。しかし、学校は危険な場所との認識はしておらず、したがって生徒への指導や補導パトロールなどの対象にもなっていなかったと思われます。こうした無人の建物は周囲からの死角となり、犯罪が起こりやすい空間にもなります。子供の安全を守る立場から、また犯罪や火災などを未然に防ぐためにも、空き店舗や無人家屋などの総点検が必要ではないかと考えます。核家族化、高齢化、人の移動などで空き家は全国的にふえる傾向にあります。それにつれ、大きな事件には至らなくても、空き家、空き店舗、廃屋などをめぐるトラブルが多数起こっています。空き家の中には、長年放置され、草が生い茂り、崩壊寸前の家もあり、周辺住民から防犯、防災上の問題から早急な対策を求める声が上がっている例もあります。廃屋の問題として、放火などによる火災や自然倒壊の危険、台風、強風による木片や瓦の飛散によるけがなどの災害、非行少年のたまり場などになりやすい防犯上の問題、野良猫のねぐらになるなどの衛生上の問題、周辺地域への悪臭や景観上の問題などが挙げられます。冒頭の例のほかにも、ことし四月十九日午後、函館市若松町周辺四カ所で住宅や空き家など十棟十二戸が連続して焼ける火災が発生しました。同市若松町では、この二日前にも空き家で火災が起きており、同市消防本部は、不審火の可能性があると見ています。福岡県内でも、平成十五年七月、北九州市内の空き家が全焼しホームレス男性三人が死傷した事件がありました。現住建造物等放火の疑いで福岡県警に逮捕された住所不定無職の男は、別のホームレス男性に恨みを持って放火したということです。  そこでまず、防災上の安全を守るべき行政庁としての知事部局と、子供の安全を守るべき教育庁、そして防犯上の責任を持つ県警察本部は、それぞれこの空き家、空き店舗などの問題について、基本的にどのような認識を持たれているのか。そして、県内の空き家、空き店舗、廃屋などの現状をどの程度把握しておられるのかお聞きします。  個人の財産である以上、廃屋の処理等については所有者の自己責任による対応が原則であろうと考えます。しかし、建築基準法第十条には、「損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、又は著しく衛生上有害となるおそれがある」建築物等に対しては特定行政庁が所有者、管理者または占有者に、この「建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを勧告することができる。」とし、十条二項では、所有者などが勧告に従った措置をとらなかった場合で、特に必要があると認めるときは、「その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。」と規定しております。さらに同三項では、「著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合」は、建築物またはその敷地の所有者などに対して、「建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを命ずることができる。」としています。そこで、建築都市部長にお尋ねします。  ここにいう「特定行政庁」とは、何を指すのか。また、勧告や命令は、具体的にどんな場合にできるのかについてお示しください。  また、消防法第九条に基づく市町村火災予防条例の例には、第二十四条に空き地、空き家の管理を規定し、その二項には「空き家の所有者又は管理者は、当該空き家への侵入の防止、周囲の燃焼のおそれのある物件の除去その他火災予防上必要な措置を講じなければならない。」としておりますが、これらの措置とは具体的にどのような行為を指すのか、また必要な措置を講じない場合、行政としてどのようなことができるのか、総務部長にお伺いします。  現在、地域では住民の防災、防犯意識の高まりなどから、町内会、PTAなどが積極的に地域の見回りなどをしているケースがふえています。学校安全マップには、廃屋や空きビルを書き込んでいる地域もあるように聞いております。犯罪、災害を予防し、子供の安全を高めるために、行政、教育庁、警察本部が一体となってこうした地域活動を後押しし、まずは空き家、空き店舗、廃屋などの点検を改めて実施すべきではないかと思いますが、知事、教育長、県警本部長の御所見を伺います。  以上で一般質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) 52 ◯副議長(北原 守君) 麻生知事。 *知事答弁 53 ◯知事(麻生 渡君)登壇 まず、肺炎によります死亡者の数でございますけれども、平成十五年度を見ますと、四千七十三人でございます。これは、県内での死亡要因の第四番目になっております。  肺炎球菌ワクチンについてであります。これは、海外では御指摘のように、接種を奨励している国もございますけれども、日本の場合にはこのワクチンの有効性、安全性についてのまだデータが少なくて、これをすべきかどうかという結論が得られていない段階でございます。このようなことでございますから、現在このワクチン接種について独自に助成を行っている自治体は、県内にはございません。  ワクチン接種の啓発助成制度の導入についてでありますが、今申し上げましたように、肺炎球菌ワクチン、これは我が国の方では有効性あるいは安全性についてのデータが少ない、行うべきかどうかという結論が出ていない段階でございますから、啓発とかあるいは市町村に対する助成の奨励、これを行っていない状況でございます。県といたしましては、やはりこの有効性とか安全性についての医学的な結論が出た上でこれをどうすべきかということについて、対応方針を決めていきたいと考えております。  空き家、空き店舗といったものの防災上の認識の問題についてであります。御指摘がございましたように、空き家とか空き店舗、これが火災とかあるいは犯罪の温床になっておるということ、これは防災とか防犯上さまざまな問題の出発点になっておるわけであります。ただ一方で、空き家、空き店舗といいますのは、それぞれの個人の財産でございます。その安全につきましては、所有者あるいは管理者の責任において対処すべきであるというのが基本的な考え方でございます。したがいまして、警察あるいは市町村の関係機関が協力をいたしまして所有者あるいは管理者を指導する、そしてまずそれぞれの持ち主として自覚を持ち、責任を果たしていくということが重要であるというふうに考えております。  空き家といったものの点検についてでございますが、これは防災、防犯上の危険箇所に対します地域のパトロール活動を行っておりますが、このような活動を引き続き支援をしてまいる考えでございます。また、市町村や学校、警察がそれぞれ把握をしております空き家などに関する情報を共有をするということが大切でございます。その上で、地域におきます適切な監視体制の整備、これが図られ、実行されるということをそれぞれ働きかけをしてまいりたいと考えております。 54 ◯副議長(北原 守君) 木村総務部長。 *総務部長答弁 55 ◯総務部長(木村 哲也君)登壇 市町村の火災予防条例の例におきます措置についてお答えいたします。空き家における措置とは、むやみに人が出入りできないような施錠をすること、容易に着火できる可燃物や石油類などの危険物を除去すること、ガスや電気の確実な遮断を講じることなどであります。また、所有者や管理者が必要な措置を講じない場合には、火災発生の危険性の程度に応じまして消防本部より指導、警告、命令などを行うことになります。 56 ◯副議長(北原 守君) 三村建築都市部長。 *建築都市部長答弁 57 ◯建築都市部長(三村 保始君)登壇 建築基準法の特定行政庁についてでございます。建築基準法第二条において、「建築主事を置く市町村区域については当該市町村の長」、「その他の市町村の区域については都道府県知事」と規定され、建築の検査、許可、認定等の業務を行う機関として位置づけられております。本県においては、福岡県知事、北九州市長、福岡市長、大牟田市長、久留米市長が特定行政庁となっております。  次に、保安上危険な建築物等に対する勧告、命令についてでございます。建築物の適切な維持、保全は、本来所有者等がその義務を有することから、劣化等により住民に危害が及ぶおそれのある建築物は、自主的に修繕等の改善措置を行うよう、市町村等と連携し、指導をしているところです。従わない場合には、是正勧告や必要な措置を命令することができることとなっております。 58 ◯副議長(北原 守君) 森山教育長。 *教育長答弁 59 ◯教育長(森山 良一君)登壇 廃屋等への基本的認識と安全点検についてでございます。廃屋等は、周囲から遮断をされ、非行の温床になるとともに、危険が予測をされ、学校におきましては従来から注意を払うべき場所の一つとして安全に配慮するよう指導をしてきたところでございます。特に、登下校中の事故、事件の発生を契機といたしまして、通学路の再点検や安全マップの作成などの徹底を図っておりまして、その中で廃屋を含めた危険箇所を把握をして、必要に応じて関係機関へ改善要請を行うよう学校に指導をいたしておるところでございます。今後とも、学校が地域の関係機関に働きかけをいたしまして安全パトロールや見守り活動等の取り組みを通じまして、危険箇所の点検、把握に努めてまいりたいと考えております。 60 ◯副議長(北原 守君) 殿川警察本部長。 *警察本部長答弁 61 ◯警察本部長(殿川 一郎君)登壇 空き家、廃屋などの安全管理の問題についてお答えいたします。県内の空き家、廃屋等の詳細につきましては承知をしておりませんが、一部については管理が行き届いていないものや放置されたものがあり、非行少年のたまり場となるなど防犯上の問題があると認識をしております。このため、県警察におきましては、各種警察活動や地域住民からの情報提供などを通じて把握したこれら空き家などについて、管理者に対する施錠措置等の指導要請、パトロール活動を通じての立入警戒、防犯ボランティアと協働した点検活動、通学路の安全点検や安全マップの作成等を通じての注意喚起を行うなど、諸対策を講じているところであります。県警察といたしましては、今後とも地域住民や関係機関、団体と防犯上問題のある空き家等の情報交換を行うなど相互に連携して犯罪の未然防止を図ってまいりたいと考えております。 62 ◯副議長(北原 守君) 高橋雅成君。 63 ◯二番(高橋 雅成君)登壇 御答弁ありがとうございました。  肺炎球菌ワクチンですけれども、季節外れのこの時期に何でこんな質問をしたかといいますと、実は私の高校時代の先輩に、こんなことを言われました。新聞記事を見て、こういうワクチンの存在を知った、そこで保健所あるいは医者にこのワクチンについて教えてもらおうと思って問い合わせたところ、ワクチンの存在そのものを知らなかったと、保健所が、というようなことを言われまして、こういう問題を何とかできないのかというようなことで御相談をいただきまして質問をさせていただきました。今、新聞にも出ておりましたし、テレビでこのワクチン注射というものが存在するということを取り上げている番組もあります。情報を知っている人もいらっしゃいます。そこで、今申し上げましたように、いざ保健所なんかに行って、窓口に行くとその窓口の人間が知らないというようなことがありましたら、行政の不信感にもつながりかねない問題だと思いますので、国がなかなか研究が進まないという事情はよくわかるんですけれども、少なくともこういうワクチンという存在があるんだということは、窓口できちんと知っておかなくてはいけないのかなというふうに思っております。  そこで、県とか市町村のそういった窓口の人間が情報としてこのワクチンの存在を知っている、そういうために周知徹底が必要なんではないかと思います。この点につきまして、知事がどのように考えていらっしゃるのかお聞かせ願いたいと思います。  それと、廃屋の問題ですけれども、現実にはいろんなことでこの廃屋の問題を県や市町村に──市町村がほとんどでしょうけれども、相談に行った場合、行政としては個人の財産であるから何ともできないんですよ、というふうに追い返されるとは言いませんけれども、何ともできないんだというふうに説明されることがほとんどであろうと思います。ただ、今御答弁聞いておりますと、建築基準法ですとかいうものを使ってですね、少なくとも勧告や命令は県や消防本部の方からやることができるんだなというふうに改めて認識をさせていただきました。  そこで、群馬県の渋川市というところで、平成十五年の十月に、安全で安心なまちづくりの推進に関する条例というのをつくっております。この条例を見ましたら、条例の第四章に、「空き家等からの出火防止」という規定をしております。第十五条から第十九条までに、「空き家等の所有者等の責務」、空き家「情報の提供」、「実態調査」、「所有者への勧告」、「関係機関への協力要請」という形で規定しております。また、この条例に基づきます安全で安心なまちづくりを推進するための計画、渋川安心プランというものには、「空き家空き地対策」というのをきちんと決めておりまして、空き家火災防止に係る処理マニュアルというものも作成しています。また、消防署の通常のパトロールのほかに安全安心パトロールの一環として、防火パトロールというものを実施しているそうです。  そこで、福岡県でも安全、安心まちづくり条例、これを視野に入れた検討を現在始めていると聞いておりますけれども、条例を制定することになった場合、こういった空き家や廃屋への対応も含めて定めていったらどうかと思いますが、これも知事の御所見をお伺いしたいと思います。  以上、二点にわたり再質問させていただき、私の一般質問を終了いたします。御清聴大変ありがとうございました。(拍手) 64 ◯副議長(北原 守君) 麻生知事。 65 ◯知事(麻生 渡君)登壇 肺炎球菌ワクチンについてでありますけれども、これは先ほど申しましたように、まだ我が国においては実用化されていないという現状にあります。したがって、多くの県とか市町村の職員がこれについて知識を持っていないというような、これはそのような段階にあるということの一つの実態的な反映であろうと思っております。接種を希望される方がもしあるという場合に、職員が全然こういうことについて知らないというのは、確かに問題があろうかと思いますものですから、どの程度の知識を持たなきゃいかぬかということは非常に難しい問題でありますけれども、何らかの知識を持つという方向で努力をしていきたいと思います。  それから、廃屋の問題につきまして、条例というお話がございました。これは現在、県内の全市町村で火災予防条例が制定されているわけでございますけれども、その中で空き家などの防火対策について定められ、先ほどございましたように所有者あるいは管理者の適切な管理義務というのが定められております。したがいまして、本県で検討いたします安全、安心まちづくりの中に、さらにこのような現行の市町村の条例に加えて新たな規定が必要かどうかということについては、あわせて検討をしてまいりたいと考えております。 66 ◯副議長(北原 守君) 八記博春君。(拍手) *八記議員質問
    67 ◯三十五番(八記 博春君)登壇 こんにちは。日本共産党の八記博春です。障害者自立支援法についてお尋ねします。  法施行直前の三月、福岡市で、みずからも障害を持つ母親が、障害者自立支援法の施行による負担増を苦にして、重度身体障害者の娘を殺害し無理心中を図るという痛ましい事件が起こりました。この法律は、障害が重い人ほど負担が大きくなり、食事や排せつなど、障害者が人間として生きていく上で最低限必要な介助行為にまで利益を受けた者として利用料を求めています。こうした中で、市町村を指導、援助し、県民と障害者の生活と権利を守り、実際の運用に当たる福岡県の責任は極めて重大です。本県はこれまで、障害者が、あらゆる分野の活動にみずからの意思で参加できる地域社会を築く、としてきました。しかし、支援法は、本県が掲げる障害者支援計画に大きな支障を与えるものになっています。麻生知事は、国に対して応益制度を改めるよう強く求めるべきです。知事の考えを伺います。           〔北原副議長退席 藤田議長着席〕  不自由な体で一生懸命働いても、施設での工賃は一月に一万円前後しかありません。しかし、施設の利用料や食費は、その二倍も三倍も取られます。本人が施設に行きたくても親が通わせないなど、施設に通う負担が大きいという理由で通所日数を減らす人や退所する人も生まれています。食事代が払えずに、一人で弁当を食べる人もいます。お金がないから必要な福祉サービスが受けられないということは、あってはならないと思いますが、知事のお考えをお尋ねします。  次に、県単独の減額免除制度についてお尋ねします。京都府は、低所得者負担の上限額を国の基準の半分にまで軽減しました。また、福祉サービス、自立支援医療、補装具を重複して利用する場合、それぞれに上限額まで負担をしなければなりませんが、利用した合計に総合的な上限額を設定して負担軽減を行います。本県でも同様の制度を創設すべきと考えますが、知事の答弁を求めます。  障害者にとって、自立支援医療は、生命を維持し、人間らしく生きていくために不可欠のものです。経済的な理由によって必要な医療が受けられないという事態は、あってはなりません。栃木県は、育成医療の自己負担分を全額助成します。山梨県でも所得の中間層に対して、更生医療の負担上限額を設けました。精神通院医療でも、福井県、東京都が無料を継続しています。法の施行と同時に多くの自治体で独自の減免制度が検討され、実施されています。多くの障害者団体から強い要望が上がっている本県独自の減免制度について、知事はどう検討しているのかお尋ねします。  また、支援制度を検討する上でも、障害者や家族や施設を対象に影響実態調査を実施すべきと考えます。知事の答弁を求めます。  次に、施設運営や市町村への支援について伺います。障害者は体調が悪くなることも多く、通所施設を利用していても、毎日通えるとは限りません。ところが支援法では、月額制から日割り制に支払い方式が変更されたために、施設収入が二割から三割減少します。これまでも大変だった施設運営がさらに困難に直面しています。施設への新たな県の支援について、どうするのかお尋ねします。  地域活動支援センターに移行できない、小規模作業所への支援が削減されることはないのかお尋ねします。  障害認定と支給決定に当たって、専門性を持ったスタッフの配置や十分な調査と認定審査会の体制を整えるための県の支援をどうするのかお尋ねします。  次に、生活保護行政について伺います。一昨年まで、久留米市では生活保護の申請者に対して、申請書を渡さずに追い返す事例が頻発していました。県が久留米市を監査し、九項目九百四十四件の申請権侵害があったとして是正改善を求め、その後大幅に改善されたと聞いています。ところが、北九州市では久留米と同様のことが今も行われています。去る五月二十三日、門司区でひとり暮らしの男性のミイラ化した遺体が発見されました。この男性は、昨年九月に電気、水道、ガスがとめられ生活保護を求めていましたが、扶養義務者がいるとの理由で申請書も渡されませんでした。火の気もなく、寒さが一段と厳しくなった十二月には、ペットボトルの水とパンを四日に一回程度差し入れていた息子さんの支援も困難になったため、再度保護を求めました。しかし、またもや申請書が渡されず追い返されました。北九州市では、申請書を渡さずに追い返すことが常態化しています。私自身、何十回も北九州市とかけ合ってまいりました。北九州市は、申請書を渡す前に貯金通帳や家賃証明書などの提出を求めるなど、何度も調査した上で事前審査をして判定をしています。保険を解約させたり、子供から支援してもらえなどと指導をして、申請を事実上却下しています。また、却下に不服の場合の審査請求権も教示せずに、申請者を追い返しています。そこで知事にお尋ねします。  満足な食べ物もなく、電気、ガス、水道がとまり、トイレも使えないなどの急迫した状況の場合は、保護が必要ではないのですか。扶養義務者がいるということを理由に、申請書を渡さないことは不適正ではないのですか。申請者に申請書も渡さず、貯金通帳などを提出させたり、就労可の診断があった者に、仕事を見つけてから相談に来るよう助言するなどは、不適正ではないのですか。申請書も渡さず事前審査をし、事実上却下して審査請求権も教示せずに追い返すことは、二重にも三重にも不適正ではないのですか。また、審査庁である本県に対する審査請求権をも侵害するのではないでしょうか。  以上お尋ねして、質問を終わります。(拍手) 68 ◯議長(藤田 陽三君) 麻生知事。 *知事答弁 69 ◯知事(麻生 渡君)登壇 障害者自立支援法についてでございます。  現在、障害者の皆さんに対する福祉サービス、これがずっと行われておりますが、社会的な費用負担も増大をしておるという状況でございます。そのような中で、福祉サービスを今後とも利用できるという条件を整えていく、つまり持続が可能な制度をつくらなきゃいかぬというような要請があって、このたび自立支援法におきましては国と地方公共団体の費用負担の責任を明確化する、また利用者の皆さんにも応分の負担を求めていこう、このようなことが立法の趣旨であるというふうに考えております。  費用の負担の増加が行われますと、サービスを受けられないんじゃないかという点についてでございます。これは、利用者は今申し上げましたような考え方のもとに、受けますサービスに応じまして原則一割の費用負担をすることとなっております。しかし、障害者の皆さんの所得に応じまして月額の負担の上限額が設定される、さらには低所得の皆さんにつきましては一定の軽減措置が講じられるということで、いわば利用される障害者の皆さんの支払い能力ということについても配慮がなされているわけでございます。  県単独の減額、免除措置についてでございますけれども、県の方ではその制度の実施状況を見ながら必要があれば制度の見直し等につきまして国の方に意見を申し、提言をしていきたいと考えております。  影響の実態調査についてでございますけれども、これは障害者施設を対象に五月までの利用者負担によります影響について調査を行っております。今後も、必要に応じましてこのような調査を行ってまいりたいと考えております。  障害者施設への新たな支援の問題についてでございます。施設におきます福祉サービスの提供に係ります報酬額、これにつきましては国の告示によりまして定められているものでございます。県の方では、施設の運営状況を見ながら、必要があれば改善等につきまして提言をしてまいりたいと考えております。  小規模作業所への県の支援の問題についてでございます。利用者の皆さんの数が基準に達しないというようなことによりまして、地域活動支援センターに移行できない小規模作業所があるわけでございますが、このような作業所につきましては、従来どおり運営費の補助を行っていく考えでございます。  障害者の障害の程度の区分認定と支給決定に対します県としての支援体制についてでございます。県といたしましては、市町村におきます適切な認定が行われる、そしてサービスの支給決定が実施されますように十七年度に認定調査員、審査会委員、主治医を対象といたしまして研修を行ってきております。本年度も引き続きこのような研修を実施をしてまいる考えでございます。  生活保護の問題についてでございます。  まず、生活保護の申請の受け付けの問題でございますが、生活保護の申請があります場合には、その事情をよく聞く、そして制度の内容等について申請をされようとしている方々によく理解をしてもらう、このようなきめ細かい説明をすることが不可欠であるわけでございまして、このようなことをしながら実際の申請に対応していくという方向でございます。  また、生活保護におきます審査請求の問題でございますけれども、それぞれの福祉事務所の長が申請に対する決定をするわけでございますが、そのような行政処分に対しまして不服があります場合には、上級庁でございます知事に対しまして審査請求をできるという仕組みでございます。したがいまして、当然審査請求の提起があれば、その請求内容をよく見まして適切な判断をしていく、処理をしていくということになります。  残りの生活保護についてのお尋ねにつきましては、保健福祉部長の方から答弁をさせます。 70 ◯議長(藤田 陽三君) 山崎保健福祉部長。 *保健福祉部長答弁 71 ◯保健福祉部長(山崎 建典君)登壇 生活保護行政のうち、急迫保護についてでありますが、福祉事務所は要保護者が急迫した状況にあるときは、速やかに職権をもって保護を開始しなければならない、とされております。その際、生存が危惧されるなど社会通念上、放置しがたい切迫した状況か否かについては福祉事務所が判断をすることになります。  次に、扶養義務者がいる場合の申請書の交付についてでありますが、申請の手続に先立ち、来所者の方々の御相談を受け、扶養義務の履行など生活保護制度の仕組みについて説明、助言をすることは必要であると考えております。その上で生活保護の申請の意思が明示された場合、明らかにされた場合には、速やかに申請書を渡すべきだと考えております。  それから、相談段階での助言についてでありますが、生活保護制度は、生活に困窮する者が利用することのできる資産、稼働能力、その他あらゆるものの活用を図ってもなお最低限度の生活が維持できない場合に適用されるものであります。そのため、面接、相談において生活保護制度の仕組みについて説明、助言することは必要であると考えております。 72 ◯議長(藤田 陽三君) 八記博春君。 73 ◯三十五番(八記 博春君)登壇 まず、障害者自立支援法について再質問します。支援法は、介助なしでは生きていけない、障害が極めて重い重度の障害者とその家族、支援していた施設をねらい撃ちにした極めて冷たい法律です。トイレに行く、食事をする、外出をする、働くなど人間らしく生きることのどこがぜいたくでしょうか。どこが利益なのでしょうか。重い障害を持ちながらも、一生懸命生きている障害者の姿に私たちはいつも励まされています。その方たちを支援し、役立つ政治をすることが私たち県政にかかわる者の役割ではないでしょうか。知事は、必要があれば、などと言われますが、そんな悠長なことを言っている場合ではないからこそ全国の自治体が法施行と同時に減免制度を始めています。障害者の親御さんたちは皆、この子を残して死ねないと言います。そんなとき、安心してください、お子さんは社会が、政治がきちんと支えますと言える、そんな県政を実現しようではありませんか。知事は、この法律が立派な法律だと考えているのですか、お尋ねします。  県単の支援を今すぐ検討すべきです。知事の再答弁を求めます。  次に、生活保護についてです。食べる物もなく、電気もガスも水道もとまり、水洗トイレも使えない状況でも保護は受けられないと言うのですか。知事はどう判断するのか、きちんと答弁をしてください。再度答弁を求めます。  申請書すら発行せずに通帳の提出を求めることは、不適正ではないのか質問をしました。そのことがどうなのか、きちんと答弁をしてください。 74 ◯議長(藤田 陽三君) 麻生知事。 75 ◯知事(麻生 渡君)登壇 第一点の、障害者支援法については、先ほど考え方について御答弁を申し上げたとおりであります。  また、県単の支援措置をとるかどうかということにつきましても、これは先ほど私どもの立場を明快に答弁をしたとおりであります。  それから、申請手続につきましては、いろんな事例を言われておりますけれども、私及び先ほど部長が答弁をしたような考え方で進めてまいります。 76 ◯議長(藤田 陽三君) 八記博春君。 77 ◯三十五番(八記 博春君)登壇 支援法について、麻生知事は明快に答えたと言われましたが、法成立の意義について言っただけで、麻生知事の考えが示されておりません。ぜひとも麻生知事の考えをお示しください。  二つ目は、生活保護の問題です。生活保護を申請すると、申請書ももらえない。先ほど、答弁ではその姿勢が明確であれば渡すと言われましたが、現場では、渡されておりません。そのことについては、どうなのかきちんとお答えください。 78 ◯議長(藤田 陽三君) 麻生知事。 79 ◯知事(麻生 渡君)登壇 障害者支援法について、知事として考え方が示されていないと言われますけれども、この法律はどういうものであるということを私の方の理解を説明するということは、それは裏側から法律に対する考え方を表明しておるということでございます。そして、この法律は支援なりサービスに対応して原則を一割とした費用負担を求めておるわけでありますけれども、一方で実際の費用負担の支払いということについては、これは支払い能力という考え方をとって、必要な減免措置をいろいろとるというようなやり方もとっているわけであります。言われるように、一方的に苛斂誅求でやっておるというようなもんじゃないわけですね。  それから二番目にですね、生活保護の申請の問題でありますけれども、これは先ほど部長が答弁しましたように、申請書を渡さないというような手続をとると言っておるわけじゃありません。申請書を当然必要な方、求められた方に渡すんですけれども、その前にこの制度の趣旨というようなことをちゃんと説明する必要があるということでそれを申し上げたわけですね。 80 ◯議長(藤田 陽三君) 松尾統章君。(拍手) *松尾議員質問 81 ◯二十二番(松尾 統章君)登壇 皆さん、こんにちは。自民党県議団の松尾統章でございます。本日最後の一般質問者となります。皆さん、お疲れのことかと思いますが、特に長崎街道が地元に通っている先生方、よろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして質問いたします。(発言する者がある)通っていない人は、静粛に聞いていただければと思います。  長崎街道を生かしたまちづくりについて。長崎街道は、江戸時代に海外の唯一の窓口であった長崎と日本の政治、経済の中心、江戸とを結ぶ九州内陸部を通る大変重要な道でございました。全長五十七里、約二百二十八キロ、小倉─長崎間の大動脈であり、日本の各地域に政治、経済、文化面などに多大な影響を与えてまいりました。福岡県には、長崎街道沿いにかつて筑前六宿と呼ばれた宿場町として北九州市八幡西区の黒崎宿、木屋瀬宿、飯塚市の飯塚宿、筑穂町の内野宿、筑紫野市の山家宿、原田宿があります。また、かつてこの道は江戸に向かう大名行列、オランダ使節やシーボルト、伊能忠敬、平賀源内、また坂本竜馬などの維新の志士たち等々、数多くの歴史上の著名人が往来してまいりました。また、砂糖も長崎に入ってきて江戸に運びながら売ったということからシュガー街道とも言われ、カステラや佐賀の小城ようかん、直方の成金饅頭などができたとも言われております。それともう一つ、江戸の将軍吉宗の時代には、ベトナムから二頭の象やラクダが日本に初めて来たのですが、それも長崎街道を上ってきて木屋瀬宿で休ませて、石炭をたいて温めてやって、常盤橋から船に乗って江戸に行ったそうです。そのほかいろんな歴史がまだまだあるわけでございますが、そのような長崎街道、近年町並みを保存し後世に残していくハード面の整備とともに、地域活性化の拠点として歴史、文化的資源の活用というソフト面の施策として大いに注目されています。そして、福岡、佐賀、長崎の三県に共通の政策的な課題として取り上げられるようになってきました。平成八年には、福岡、佐賀、長崎の長崎街道筋四十七団体のまちづくり団体が歴史、文化を生かしたまちづくりの情報交流並びに各団体のネットワークを図るため長崎街道まちづくり推進協議会を発足させました。行政としても、福岡、佐賀、長崎の三県で九州北部三県広域連絡推進協議会を設立し、地域連携のテーマとして長崎街道の活用やイベントを生かした地域活性化策で連携を始めました。具体的には、ガイドブックやパンフレットの制作、年一回程度の交流会議を行いましたが、三県はもとより福岡県内の関係市町村の連携もいま一つ盛り上がらないままでございました。やはりいきなり三県でというのは無理があったのかもしれませんが、先ほど述べた長崎街道まちづくり推進協議会も今は休眠状態になっているとも聞いております。ただ、長崎街道という道の下には歴史、文化のみならず、地域ネットワークや交流といった地域づくりの種が眠っており、地域連携、地域活性化の切り札には間違いありません。そこで、今度はまず県内筑前六宿のネットワークづくりと地域活性化に積極的に取り組み、その後再び北部九州の連携を図っていくべきではないかと思います。  そこで、僣越ながら私が考えた長崎街道を活用した地域づくり事業を披露させていただきます。  一つ目といたしまして、県内にある筑前六宿のネットワークを充実させるソフト政策として、例えば空き店舗を活用した物産交流展や六宿間の情報交流を目的とする祭り交流、持ち回りシンポジウムを行うなどいかがでしょうか。  二つ目といたしまして、民間団体の機運づくりと人材育成として各宿場に連携と交流をテーマに、地元実行委員会を設立し、筑前六宿を使ったウオーキング、ウオークラリー、バスツアー、飛脚駅伝やブランドづくりなどで盛り上げる。  三つ目といたしまして、景観づくりを目的として筑前六宿とその沿道について案内板、距離表示、歩道、照明、ガードレール等を街道風に整備し、点から線、面に広げ、観光の目玉としてはいかがでしょうか。  実は、私も三年ほど前にウオーキング、長崎ウオークといった形の中で、常盤橋から実際歩いていきました。ただ、どこが長崎街道なのかなといった形ぐらい長崎街道がどこにあるかわからなかったといったことも確かでした。今現在は、北九州の一部と佐賀県内の一部、そして長崎県の一部のみがそういった案内表示があってわかる状態となっております。これらの具体的案には、おのおのにいろんな意見があることでしょうし、この場で議論しようとは思いません。ただ、現在、北九州を中心に再び長崎街道を盛り上げようとの機運が高まっておりまして、知事の長崎街道筑前六宿への見解と思いをお尋ねしたいと思います。  次に、教育長にお尋ねいたします。筑前六宿にかかわる歴史的、文化的財産の調査状況とまたこの活用について、関係部局と連携をどのようにとっていくべきとお考えなのかお尋ねいたします。  また、そこで生まれ育った子供たち、その父や母、祖父、祖母など、いわゆる先祖が生まれ育った地域の歴史や文化、芸能を身近なものとして知らしめる、言ってみれば郷土史をじっくり教え知らせる材料としてこの長崎街道についてを社会科の時間などに取り入れて、学習活動を進めていただけたらどうかなというふうに思います。こうした学校教育における郷土史の学習が今、国政の場で重要課題となっている教育基本法の改正における国や地域を愛する心の醸成と密接につながっていくものと確信しておりますので、ぜひ教育長の力強い答弁をお願いいたします。(拍手) 82 ◯議長(藤田 陽三君) 麻生知事。 *知事答弁 83 ◯知事(麻生 渡君)登壇 長崎街道でございますけれども、これはいろんな街道が全国にあるわけでありますけれども、その中でも非常に有名な街道でありますし、歴史的にも特に幕末においては非常に重要な役割を果たしてきた街道でございます。このようなことから、我々長崎、佐賀と福岡県は、三県でのいろんな協力関係をつくっておりますが、その三県の協力し進めるプロジェクトといたしまして長崎街道、これを取り上げてずっといろんな共通のイベント等々を行ってきておるわけであります。長崎街道の出発点は、御指摘がございましたように、黒崎であるというふうにされております。ここを出発点としまして筑前六宿──ムは正しい六を書かないかぬわけですけれども、これでございます。これは本当に九州一といいましょうか、街道一と言ってもいいぐらいににぎやかであったということでございますから、その意味で私どもにとりまして歴史的に大変貴重な地域の財産であるというふうに考えておりまして、これを大切にし、また地域の魅力を高めるために活用するということは大変意義があるというふうに考えております。実際に、この街道運動を進めておりますのは、NPOの皆さんなど多様な方々でございます。この皆さんがそれぞれの立場から自主的に取り組んでいるわけでございまして、これが非常に大事であります。したがいまして、今後とも県の方では関係の市町村、それと協力しまして関係人材の養成あるいは皆さんが開いておりますいろんなイベント、これを応援をしてまいるというふうにしていきたいと考えております。 84 ◯議長(藤田 陽三君) 森山教育長。 *教育長答弁 85 ◯教育長(森山 良一君)登壇 まず、長崎街道に関します文化財の活用についてでございます。この長崎街道の歴史的、文化的価値に関しましては、平成十二年から実施をいたしました文化財調査の報告書に基づきまして、その成果を広く県民にお知らせするために整備、活用の基本的なあり方をまとめますとともに、昨年度から長崎街道沿線の市や町との連携のもとに、ふるさとの文化遺産活用推進事業の中で、宿場祭りとか長崎街道ウォークなどに取り組んでおるところでございます。今後も関係部局と連携をいたしまして、街道文化財の広域的な活用を進めてまいりたいと考えております。  次に、長崎街道を教材とした学習についてでございます。現在、長崎街道に沿った小学校におきましては、社会科や総合的な学習の時間などにおきまして山家宿や原田宿などの宿場町を教材といたしまして郷土史家の支援を得ながら、当時の町の様子を調べたり大名行列を再現をしたりする学習に取り組んでおる学校も見られるところでございます。このような学校における郷土の歴史を生かした学習は、長く引き継がれてきた地域の歴史を理解をし、愛情を深め、地域づくりへの参画を促すことにつながる教育と考えております。今後は、こうした地域の歴史を生かした教育が一層広がりますように努めてまいりたいと考えております。 86 ◯議長(藤田 陽三君) 松尾統章君。 87 ◯二十二番(松尾 統章君)登壇 知事、教育長、大変前向きな答弁ありがとうございました。私が予想しているよりも大変前向きでございまして、大変うれしく思っております。実は私、この長崎街道の質問をつくるに当たりまして、地元の方より、もう福岡県は長崎街道について力を入れないんじゃないか、そういった声もお聞きしました。と同時にですね、これは地元の方から預かってきたんですが、平成八年の長崎街道についての知事サミット、これのコピーでございます。知事、ちょっと見てください。──大変懐かしい記事もあるかと思いますが、先ほどの答弁の中でNPO初め団体が盛り上がればといったお話でございました。今、北九州の方もですね、国土交通省の日本風景街道事業といった申請にうまいこと採択されまして、平成十八年度から街道関係の整備についての国の予算がおりてまいりまして、今街道関係、特に商店街初め、例えば昔の街道風に工事をやってみたり、それとかシンポジウムをどんどんやってみたりといった形の中で機運が高まってきておりますし、それこそ三年ほど前は、先ほどの質問の中にありました象、じゃあもう一回あの常盤橋をこの象で渡ってみようじゃないか──常盤橋というのは木造の橋なんですけれども、当時小倉北署の警察の方々に大変ぴりぴりされながらも、あそこをみんなで象を通して、それから長崎ウオーキングを始めた、そのようないろんなイベントも今開催されつつあります。要は、まちづくり推進協議会が休眠、そして形骸化した中で、今改めて再び地元で北九州を中心に機運が高まっているところであります。ぜひとも、今後とも県そして教育委員会の温かい、力強い御支援をお願いいたしまして要望とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。(拍手) 88 ◯議長(藤田 陽三君) 本日の一般質問はこれまでとし、残余は明日取り進めることといたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 三 時 二十六分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...